米財務省など連邦機関、ステーブルコインの正式調査巡り議論-関係者
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かねてから国際会議等で議論されてきた問題は、「裏付け資産がある」と称する、ソブリン通貨建て(例:米ドル建て)のステーブルコインについて、
①裏付け資産を本当に100%持っているのか、
②本当に安全流動資産だけで持っているのか、
③どのように持っているのか(Bankruptcy remoteか)
を規制監督面からチェックする枠組みが不十分であり、いわば発行側の「言い値」を信じるような形になっていることでした。この問題については、何らかの手当てがなされてくる可能性が高いように思います。
ただ、この方向での規制監督枠組みの整備は、もともと裏付け資産をきちんと持つつもりの発行者にとっては、信認強化につながりウェルカムという面もあるように思います。(もちろん、そうでない発行者にとっては事情は全く違いますが。)ステーブルコインを含む暗号資産については規制強化は避けられないでしょう。マネーロンダリングやテロ資金として使われているからです。SECは投資家保護の観点からも調査に動いている。
ただし、機関投資家なども暗号資産に投資しているため、規制強化を発表した途端に暗号資産の急落が予測されます。それをどう避けるかがポイントですが、こういう形で事前に少しずつ規制強化をにおわせるメッセージを発信することで、解決しようとしているのではないでしょうか。アンチマネーロンダリングの国際審査機関であるFATF(Financial Action Task Force on Money Laundering:金融活動作業部会、ファトフ)も暗号資産に関しては審査強化を打ち出しています。
https://www.fsa.go.jp/inter/etc/20210706/20210706.html
暗号資産がこれからメジャーになるためには避けては通れない道だと思います。