(ブルームバーグ): 米財務省など連邦機関は法定通貨の価値に連動するテザーなどのステーブルコインについて、金融の安定性を脅かすものかどうか正式調査を開始することを議論している。調査結果次第では、暗号資産(仮想通貨)市場で急拡大しているステーブルコインの大幅な監視強化につながる可能性がある。

非公開協議についての発言であるとして、事情に詳しい関係者3人が匿名で語ったところでは、金融安定監視評議会 (FSOC)による調査を始めるべきかどうか、財務省などは数週間にわたる議論を経て決定に近づいている。

企業や活動について、FSOCが金融システムへのシステミックな脅威だと認定すれば、通常は厳格な規則や規制当局の積極的な監視の対象となる。トレーダーはビットコインなどの購入にステーブルコインを広く用いており、こうした認定が下ればステーブルコインを巡る状況は一変する可能性がある。

イエレン財務長官が主宰する金融市場に関する大統領作業部会は特に、コマーシャルペーパー(CP)がテザーの裏付け資産の大きな部分を占めるとの説明に注目している。米当局者は7月の非公開会合でこの状況について、仮想通貨急落の場合、投資家による混乱に満ちた資金引き揚げにつながりかねないと、規制されていないマネーマーケット・ミューチュアル・ファンドに例えた。

関係者によれば、大統領作業部会は12月までにステーブルコインに関する勧告を発表する計画で、関係する規制当局の間では、FSOCによる調査が妥当であるとのコンセンサスが形成されつつある。財務省報道官はコメントを控えた。

原題:Stablecoins Face Crackdown as U.S. Discusses Risk Council Review(抜粋)

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