2021/9/11

【復活】あのコインチェックが過去最高益を叩き出していた

Loop Now Technologies, Inc Content & Creative Director
NewsPicks編集部による番組『デューデリだん!』は、編集部の記者たちが、注目の成長企業を取材し、経営トップにインタビューする過程を可視化する企画です。

今夜10時から取り上げる企業は「コインチェック」。2018年1月にNEM流出事件を起こし、現在はマネックスグループ傘下になっています。

最新の決算によると、コインチェックはグループの稼ぎの8割を生み出す「稼ぎ頭」に成長しているのです。事件からわずか3年半あまり、コインチェックはいかにして復活したのかを探ります。
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INDEX
  • 流出事件から3年半での「復活」
  • マネックスグループの稼ぎ頭に
  • “黒船”上陸は脅威なのか
  • コインチェックの新成長戦略
  • 没落と復活、すべてを見てきた張本人
番組の全シリーズはこちらからご覧いただけます。

流出事件から3年半での「復活」

2018年1月26日。
コインチェックを語る上で、どうしてもこの日を避けて通ることはできません。
暗号資産の一つ「NEM」が約580億円分(当時の価値)がハッキングによって流出した事件です。
金融庁による業務改善命令を受けながら、流出した「NEM」の補償を開始したコインチェック。
同年4月には、オンライン証券大手のマネックスグループが、コインチェックを完全小会社化することを発表。マネックスの傘の下で再出発を果たしました。
当時、この買収劇をめぐっては、わずか36億円という「安い買収額」も話題になりました。
あれから3年半。実は今、コインチェックはマネックスグループの利益の8割を稼ぐ「稼ぎ頭」になっているのです。
“どん底”とも言える流出事件から再出発したコインチェックは、わずか3年半あまりで、いかにして復活したのか。そして、今後の成長に向けて、どのような戦略を打ち出しているのか。
今回は、暗号資産に詳しいNewsPicks編集部の野村高文エディターと花谷美枝デスク、そして、インターン役(本業は役者)の藤村聖子さんとともに、コインチェック復活の軌跡を辿ります。

マネックスグループの稼ぎ頭に

今年7月28日に発表された、マネックスグループの2022年3月期の第1四半期決算。
決算資料を読むと、グループ全体の税引き前利益111億円のうち、90億円をクリプトアセット事業、つまりコインチェックが稼いでいることがわかります。
コインチェックとしては、マネックスグループの傘下に入って以降、過去最高益です。
当然のことながら、最高益の背景には、ビットコインを中心とする暗号資産の値上がりがあることに疑問を挟む余地はありません。
しかし、外部環境のみで、ここまで鮮やかな復活ができるものなのか。新生コインチェックの競争優位性は他にあるのではないか。
いつもの部屋に集まった3人は、コインチェックのビジネスモデルを一から理解することから、今回のリサーチをスタートさせます。
コインチェックのビジネスモデルを理解するためには、「ブロックチェーン」「NFT(Non-Fungible Token/非代替性トークン)」といった専門用語を理解することが不可欠です。
今回の『デューデリだん!』では、これらの用語について、なるべくわかりやすく学べる工夫を施しています。
「ブロックチェーン」「NFT」をなんとなくスルーしているあなた、もはや理解することを諦めているあなた、試しに今夜の番組を観てみてください。
番組の中で難解な専門用語を解説しているシーン

“黒船”上陸は脅威なのか

過去最高益を叩き出したコインチェックに不安要素はないのでしょうか。
3人のリサーチは、競合の分析に移ります。
今年8月には、“黒船”コインベースが日本に上陸しました。
現在100以上の国で事業を展開し、6800万人以上のユーザーを抱える暗号資産取引の巨人です。
コインベースHPより
例えば、三菱UFJ銀行とパートナーシップを結んでいることから、これまで暗号資産の取引実績のない層を取り込みたい思惑が読み取れます。
暗号資産取引のエントリーユーザーを大事な顧客とするコインチェックにとって、コインベースの日本上陸はおそらく脅威に違いない。
今回、大塚雄介執行役員へのインタビューを担当する花谷デスクは、コインベースの日本参入を「攻め」のカードにしようと考えます。
そこで、コインベースが国内の暗号資産市場に与えるインパクトについて、専門家に取材し、さらに理解を深めていくことに。
暗号資産業界をウォッチしている幻冬舎『あたらしい経済』の設楽悠介編集長が取材に協力してくれた。

コインチェックの新成長戦略

専門家への取材に加え、公開されているあらゆる資料を読み込んだ3人は、コインチェックが今後成長していく上で重要視しているキーワードが3つあることに気付きます。
  • NFTのマーケットプレイス
  • IEO(Initial Exchange Offering)
  • バーチャル株主総会
これらが、今後のコインチェックの成長を占う「3本柱」であることを確信した3人は、それぞれの事業を詳しく調べていきます。
「ビットコインをはじめとする暗号資産の取引を民主化したように、NFT取引のハードルを下げるためのマーケットプレイスでしょうね」
「IEO(Initial Exchange Offering)は、コインチェックが日本で初めて手掛けた実績があるため、この領域での先行優位性は大きそう。IEOでどれくらい儲けたんだろう」
「バーチャル株主総会はちょっと毛色が違うけど、暗号通貨交換事業との関連はどこにあるのか」
「3本柱」を調べていく過程で、3人は思い思いの仮説を立てながら、大塚執行役員への質問をまとめていきます。

没落と復活、すべてを見てきた張本人

渋谷の道玄坂を登り切った坂の上に立つビルの12階が、今回のインタビューの舞台であるコインチェックのオフィスです。
事前に練り上げた質問を携える花谷デスクの表情は、少し強張って見えました。
大塚執行役員は、まだ残暑が厳しかったこの日も、ジャケットにしっかりとネクタイをあわせたフォーマルなスタイル。
トレードマークのスクエアな眼鏡と相まって、対峙する花谷デスクは「本音を引き出すのが難しい相手だ」と直感的に感じたようです。
あの事件から3年半あまり。
没落も復活も経験したコインチェックで、常に舵をとり続けてきた大塚執行役員は、コインチェックの「これまでの軌跡」と「これからの針路」について、何を語るのでしょうか。
ぜひ、今夜10時からの配信をご覧ください。
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