【考察】9.11テロから20年。世界はどこへ向かうのか
- 秋晴れの日に起きた「悪夢」
- 「ネオコン」という思想
- 「世界の警察官」の限界
- 「チェンジ」。オバマの時代へ
- バイデンの「世論を見る」外交
- 新たな段階に入る「新冷戦」
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たまたまのタイミングでもありましたが、テロとの戦いに加え、アメリカは分極化という動かない政治の時代に突入、世界はグローバル化、中国の台頭など、この20年間で大きく変わりました。
コメントのご質問の中で「もし、9.11のとき、オバマが大統領だったら世界は変わっていたのであろうか?」という点ですが、全く同じコースだったのではと想像します。
当時言われたのは「もしクリントンだったらどうだっただろう」という指摘でした。クリントンなら冷戦終結後の安全保障関連の縮小の中で自らが中東を含む様々な国際インテリジェンスを弱めた責任がもっと問われていたと思います。そもそもクリントン政権時の末期の2000年は、アルカイダが起こした米兵17人が死亡した米海軍駆逐艦コール爆破事件もありましたので、この事件と911の連続性、政権の責任がもっと問われていたと思います。
911がなければブッシュ政権は「思いやりのある保守主義」をさらに前面に出して、外交よりも内政の政権だったはずです。
いずれも「歴史のイフ」なので誰も答えは出ませんが。
元同僚の1人であるLaurenが、911でペンシルバニア州に墜落した飛行機の44人の1人でした。彼女は、空港に早く到着したため、予定の便を一つ早くしたのが、墜落した飛行機です。そして、結婚してやっと妊娠したという幸せの絶頂期でした。
機内で異変に気づいた彼女は、夫へ機内から電話をしますが、西海岸との時差で早朝過ぎて、彼は気づかず留守電だけが虚しく残っていました。「電話に出て! 機内で何かが起きているけど、きっと大丈夫。帰ってくるからね。I love you」という言葉を残し、赤ちゃんと共にこの世を去りました。
初めて彼女に会った時、なんて聡明そうで綺麗、明るくて、素敵な女性なんだろうと抜群の好印象だったのを今でも思い出します。なぜ罪もない人たちが、命を失うことになるのか。あれから、何が変わったのか。コロナ禍でいかに「与えられている世界が、いかに美しく、有難いことか」を私たちは感じているはず。今を生きれることへの感謝で、世界中の人々が笑顔に溢れることを切に祈ります。Laurenの素敵な笑顔のためにも。
9.11テロは、その後のリーマンショックの遠因になっていると思います。
というのも、9.11後の市場の混乱を受けてFRBが金融緩和をやりすぎたことに加え、台頭してきた中国が米国債を買いまくったことで、その後FRBが利上げしても長期金利が上がらず、リーマンショックのきっかけになる住宅バブルを誘発してしまったからです。
ただ、リーマンショック後に欧米では大胆な金融財政政策を経験したことが、コロナショック後の金融財政政策を打ち出すのに役立ったと思います。
ピンカーからの受け売りですが。
長い目で見たら、アメリカの軍事的介入とは無関係に、世界の民主的国家の数は増え続けています。韓国も台湾もスペインもポルトガルもギリシャもほんの数十年前までは独裁国家でした。
https://youtu.be/zkPOHB2rRkc?t=1242
人々が自由を求め、いづれ民主主義に至るのは自然な歴史の流れです。一時的な揺り戻しはあります。しかし、アフガニスタン も中国もロシアも、歴史の大きな流れに永遠に逆行することはできないでしょう。一方、アメリカが軍事的に介入したところで、この大きな流れを人為的に加速することもできなかった、ということでしょう。所詮はアメリカも中国も、ジェット気流の中を飛ぶ蚊のようなものなのかもしれません。
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