[9日 ロイター] - 米国株式市場は下落して終了した。週間新規失業保険申請件数が約1年半ぶりの低水準となったことで、景気回復が減速しているとの懸念は払拭されたものの、米連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和の縮小)開始時期が前倒しされるとの観測が高まった。

米労働省が9日に発表した9月4日までの1週間の新規失業保険申請件数は31万件と、前週から3万5000件減少し、昨年3月中旬以来の低水準となった。雇用の伸びの鈍化は労働需要の減退ではなく、人手不足が要因になっていることが改めて確認された。

マイクロソフトとアマゾン・ドット・コムが約1%下落し、S&P総合500種とナスダック総合を圧迫した。

S&Pの主要セクターでは不動産とヘルスケアの下げがきつかった。金融、エネルギー、素材は小幅高。

JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループ、モルガン・スタンレーは軒並み上昇。新規失業保険申請件数データを受けてやや上向いた米10年債利回りの動きに追随した。

インフラストラクチャー・キャピタル・マネジメントのジェイ・ハットフィールド最高経営責任者(CEO)は「最近の市場の問題点は、動いているというよりもローテーションが多いことだ。きょうは、失業保険申請データを受けて、誰もがシクリカル(景気循環)株を買っている」と指摘した。

カナダのスポーツ衣料大手ルルレモン・アスレティカは10%高。通期の業績見通しを引き上げたことが好感された。新型コロナウイルス関連規制が緩和される中でも同社のヨガウエアには根強い需要が見られている。

中国当局が若者のゲーム依存に歯止めを掛けるため、新たなオンラインゲームの承認を抑制したとの報道を受け、米市場に上場するゲーム関連株のアクティビジョン・ブリザード、エレクトロニック・アーツ、テイクツー・インタラクティブ・ソフトウエアは1%超下落した。

データセンター関連の不動産上場投信(REIT)デジタル・リアルティーは5%安。625万株の公募増資を発表したことが背景。

米取引所の合算出来高は93億株。直近20営業日の平均は91億株。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.03対1の比率で上回った。ナスダックでは1.12対1で値上がり銘柄数が多かった。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 34879.38 -151.69 -0.43 35013.08 35199.89 34847.30

前営業日終値 35031.07

ナスダック総合 15248.25 -38.38 -0.25 15296.06 15352.38 15245.18

前営業日終値 15286.64

S&P総合500種 4493.28 -20.79 -0.46 4513.02 4529.90 4492.07

前営業日終値 4514.07

ダウ輸送株20種 14442.54 -154.89 -1.06

ダウ公共株15種 944.08 -5.04 -0.53

フィラデルフィア半導体 3390.84 +13.16 +0.39

VIX指数 18.80 +0.84 +4.68

S&P一般消費財 1470.27 -4.07 -0.28

S&P素材 525.94 +0.35 +0.07

S&P工業 863.66 -4.12 -0.47

S&P主要消費財 747.33 -4.56 -0.61

S&P金融 627.29 +1.55 +0.25

S&P不動産 296.17 -6.41 -2.12

S&Pエネルギー 357.55 +0.44 +0.12

S&Pヘルスケア 1563.83 -18.52 -1.17

S&P通信サービス 285.88 -0.94 -0.33

S&P情報技術 2773.73 -11.78 -0.42

S&P公益事業 350.71 -2.06 -0.59

NYSE出来高 8.31億株

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 29985 + 185 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 29945 + 145 大阪比