中絶規制の州法停止求め提訴=テキサス州との対立激化―米
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「United States」と言われる連邦制の国だけあり、米国では州政府は連邦政府の下部組織ではありません。各州がそれぞれ独自に政府、議会、裁判所を持ち、法律を制定する権限を持っています。とはいえ、ときの政権の政策と相いれない州法が作られることは珍しくありません。オバマ政権時代にも、非常に厳しい移民取り締まり法をつくったアリゾナ州が連邦政府に訴えられたことがありました。トランプ政権がポートランドのデモ鎮圧に武装した連邦職員を派遣し、「州政府の頭越しに権限を行使した権力乱用では」と議論になったのも記憶に新しいところです。
注目のコメント
米最高裁は暗黙の裡にテキサス州の人工中絶を規制する法律を認める形になったが、司法省が提訴することによって、明示的に「ローvs.ウェイド」で確立された憲法上の理屈をひっくり返さなければならなくなった。テキサス州とバイデン政権の争いは、米国の分断を深めることになりそう。
想定された動き。最高裁はテキサス州法の施行を止めなかっただけで、ロウ対ウエイド判決の人工妊娠中絶そのものの合憲性は判断していない段階でした。これからの秋の新しい会期で最高裁では同様のミシシッピ州の州法を取り扱い、そちらでは合憲性が審理されるとみられていましたので、司法省の提訴はそちらもにらんだ形。来年6月の会期の最後あたりに判決でしょうか。