[ワシントン 8日 ロイター] - 米アマゾン・ドット・コムは米連邦通信委員会(FCC)への提出文書で、電気自動車(EV)テスラと宇宙開発ベンチャーのスペースXを率いるイーロン・マスク氏は自分は規制の適用外との考えを持ち、ルールを度外視した行動を続けていると批判した。

アマゾンとスペースXはともに、低軌道衛星を使ったインターネット通信サービスの開始に向け準備を進めている。

アマゾンは「スペースXとその他のマスク氏関連企業の行為は、無許可アンテナを搭載した衛星の打ち上げや、承認なしのロケット打ち上げ、承認されていない打ち上げ施設の建設、屋内退避命令に違反する工場の再開などどれも、ルールは他の人たちのためのもので、ルール順守を訴えるあるいは単に求める人は冷笑と個人攻撃に値するとの考え方を浮き彫りにしている」と主張。「FCCが偽善行為も規制対象とするならば、スペースX対応で非常に忙しくなるだろう」と続けた。

スペースXとテスラはコメントの求めに応じていない。

アマゾンは3000基以上の人工衛星を使ってブロードバンド通信サービスを提供する「プロジェクト・カイパー」計画を進めており、スペースXが構築している衛星通信網「スターリンク」に対抗する。

アマゾンの創業者ジェフ・ベゾス氏とマスク氏は有人宇宙飛行の事業化でもライバル関係にあり、ベゾス氏が立ち上げた宇宙開発企業ブルーオリジンは米航空宇宙局(NASA)が月面着陸船開発企業にスペースXを選定したことを巡り、米政府を提訴している。

アマゾンは8月25日にFCCに対し、スペースXの衛星配備計画の修正案を却下するよう要請していた。スペースXは先週、FCCへの文書で、アマゾンはスペースXの計画に遅れを生じさせる考えだと批判した。

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