米、太陽光発電「35年に40%」可能 脱炭素へ試算
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私は再生可能エネルギーの普及をライフワークとしています。こういうニュースを聞くと、「米国でもできるのだから日本でも」という話になりがちですが、日米の構造的な違いに目を向けるべきです。
大規模な太陽光発電所の立地に適する3条件があると私は考えていて、まず2つは1)日照が強く長い、2)緑を切り開いたり、環境負荷を与えない、です。これを満たすのは砂漠です。日本には砂漠がほとんどないのですから、立地は極めて限定されるべきです。3つ目は大消費地に近いことです。遠いと送電線の建設費が嵩むからです。すると、大消費地に近い砂漠は世界でも限られていて、カリフォルニア、中東ドバイ等、チリ、インド等です。こうした分析を専門家はもっと知らせるべきです。逓減してきた税額控除(Tax credit)も再拡充されそうですね。
アメリカは日本と異なり、まだまだ大規模な太陽光発電所を開発できる用地が多く、南部など日射量が豊富なエリアもあり、需要家の再エネ転換への取り組みも先行しているので、ますます有望になってきました。
当然競争も厳しい中、太陽光発電所を①一定の品質で安く作ること、②税額控除目的の投資家から低コストの資金を調達することという、「技術力と資金調達力の両者を兼ね備えた開発会社」が勝ち残って行くと思われます。【DoE(米エネルギー省)レポート】
https://www.energy.gov/sites/default/files/2021-09/Solar%20Futures%20Study.pdf
先月、内務省は連邦所有地を太陽光・風力発電用に使いやすくするようにするプロセスを開始することを発表しています。
本レポートによると、太陽光40%以外では風力36%、原子力13%、水力が5~6%、地熱が1%が可能とのことです。
米国の地理的条件を見れば不可能ではないものの、かなり野心的な計画が必要そうです。
現状、米国における太陽光発電のエネルギーミックスにおける割合はわずか3%。
バイデン政権の目標は、2030年までにエネルギーセクターの再エネ使用率を80%、2035年までに100%(脱炭素)です。
このためにはオランダ領土よりも広い敷地を太陽光発電に割かなくてはならないとの試算もあります(Rystad Energyより)。
また、政治的には総額3.5兆ドルのの予算決議案が議会(上下両院)で承認されたところですが、税額控除に関する民主党による提案についてまだ最後の調整をしているところのようです。環境関連団体は、PTC(生産税控除、生産開始から10年間)について1,910億〜2,650億ドル規模の措置を求めているようです(米国各種メディアより)。