中国、学習塾の料金徴収を凍結-年内の非営利登録を義務化
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注目のコメント
中国の教育業界への規制については
とても興味深いです。
関係する上場企業に投資されていた方は
様々なご苦労があろうかと思いますし
主義・思想に関わる部分についても
簡単に結論は出せないと思います。
一方で多くの国において公教育は非営利であり
日本の私教育に目を向けても
実質的に塾と近しい活動を行う学校法人(非営利)が存在します。
・非営利の法人間にも競争の原理は働く
・給与水準が固定されても、その水準が高ければ人材は集まる
という点も含めて、塾業界の質への影響は限定的な可能性もあり
子ども達の学力推移を注視したいと思います。
と、上記内容は事実を羅列したにすぎず
実質新たな観点を提供していないダメPICKになってしまう恐れがありますので
中国政府が今回の意思決定を出来た理由を考えてみたいと思います。
※主義・思想に関係する部分以外に言及。
私が中国の教育業界の調査を開始したのが2014年で
すでに当時から
最もICT化の進んだ世界最大の私教育市場でした。
Zuoyebang(作业帮)、Yuanfudao(猿輔導)等は当時から絶好調で
その後に参画した企業も十分に順調であったと感じております。
そんな中で今回の意思決定が出来たのは
教育の特にティーチング(teaching)部分において
①生身の人間が最高である
(技術的なイノベーションに限界がある)
②規模の経済性が働かない
(事業規模が大きくなっても、単位当たりのコストが下がらない)
③教育特化のICTは不要
(iPad、ZOOM、Youtube、G suiteが教育でも一番便利理論)
という判断をしたからではないかと考えられます。
前述の教育関係各社は
2014年以降もICT化を中心に莫大な開発予算を投下してきましたが
現在の中国においても、最も重宝されているのは
人間による家庭教師です。
生身の人間が最高となりますと
事業規模がどれだけ拡大してもコストは下がりずらい。
生身の人間がICTを利用してコミュニケーションすることは
何も教育業界に限った話ではないので
教育系の企業が利益をだし、教育分野にのみ利用可能なICT開発に
精を出すことを良しとしない。
多分に仮説を含んでおりますが
上記の観点により
中国政府が今回の意思決定を出来たのでは
と考えております。中国政府は営利オンライン塾を禁止。非営利登録を義務化。地方政府が料金を決める。中国経済の強さは高い教育を受けた人材の質と量だったのに、それを自分たちで台無しにしていくのは正気の沙汰じゃない。日本のゆとり教育と同じく…
私は受験塾が受験テクニックを教えで受験が加熱する状況はあまり生徒の人生にとって良くない、という意見です。しかし、それでも中国の改革には驚きました。営利企業は事実上、閉め出されるわけですよね。一方で思想教育は強力に進めるのですから、危うさを感じます。