ヤクルト、新型コロナに対する予防治療効能宣伝で約766万円の罰金
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「プロバイオティクスの重要な予防治療効能」を、中国国家衛生委員会が配布した同感染症治療の指導文書も引用して宣伝したとして、中国上海地区のヤクルト販売会社に罰金が課されています。処分理由は「虚偽の宣伝文句を使用した不正競争(だけ)」だそうで、わずかな罰金で済まされています。よくこの程度で済んだものだとの印象ですが、今後中国での薬事関係法規違反の処分が追加で下る可能性も残っています。
同じことを日本でも行った場合は、日本でも薬機法違反に問われます。立件されればおそらく今回の中国での罰金刑のレベルでは済みません。
プロバイオティクスとは、人体に良い影響を与える微生物、または、それらを含む製品、食品を指します。ヤクルトが意図しているのは「腸内細菌叢(あつまり)」と思われ、ヤクルトを飲むとこれを改善することから免疫力が増し、感染症を抑制するとしたいようですが、それを言うには「医薬品としての効能を取得するデザインで実施される臨床試験」で効果を確認する必要があります。同社がこれを実施している記録はありません。
効能取得を目的とした薬事法に基づいてデザインされた試験で効果を証明できなければ「乳酸菌入りの健康的イメージのある嗜好品(飲料)」の範囲を超えての宣伝はできません。乳酸飲料系は昔からマユツバの域を出ないですからね。
会社の人に異常にヤクルト勧められるので、医者に「ヤクルト飲んだ方がいいんですか?」と聞いたら納得の回答が。
「その乳酸菌で体質改善して健康になるほどヤクルト飲んでたら、健康になる前に糖尿病になるリスクのが高いよ。」と。
笑いましたが超納得。
ヤクルトなんかに期待しないで、適度な運動と加工食品ではない健康的な食事を心がけなさいと。「ヤクルトはジュースの分類。嗜好品。」と。
まあ、そんなもんですから誇大広告してはダメですよね。
でも、甘さたっぷりの嗜好品も「身体にいい!」という免罪符が付くと、ジュースは買わない人でも買えてしまう人間の悲しい性。甘い物を摂取する理由を付けるのに、乳酸菌は都合が良いのでしょう。この件に限らず、空間除菌、緑茶や柿でコロナ予防などその手の話はきりないです。
その多くが「試験管の結果のみで人体への効果を謳う」や、「製品の使用状況からしてあり得ない濃度での試験による効果を謳う」などによるもので、基本的に本当に効果があるとは考えにくい物です。
日本ではこのような宣伝が罷り通って様々な商品が売れていますが、まさか先に中国が規制に入るとは。