世界最大のデジタル銀行「Nubank」が米上場へ、バフェット氏やテンセント出資
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ブラジルのユニコーン企業、世界最大のデジタル銀行「Nubank」が米国上場により時価総額が6兆円を超えるかもというニュースです。
ブラジルは銀行口座を持てない人が多い一方で、現金を持ち歩くには治安も悪く、クレジットカードの金利もすごく高い(インフレ率が高いので政策金利も5.25%)という環境下で、デジタル銀行が躍進しているとのこと。日本では銀行口座開設が容易で、インターネット銀行も豊富にあり、クレジットカードの金利も15%(それでも高いですが)程度なので。同じようなビジネスモデルでは成功しないと思います。ただ、Nubankのケースでは、社会課題を抱える市場を調査することから始め、最も問題の大きかったブラジルでビジネス展開をしたというビジネスの始め方が興味深いですね。日本でも社会課題は沢山あるので、同様ではないにしろ、どんどんユニコーンとなるスタートアップが出てきてもらいたいものです。今までもNubank(こちらブラジルでは一般的にヌバンキと発音します)については在ブラジルの一生活者として何回かコメントしてきましたが、いよいよ米国ナスダックへの上場ですか〜。ブラジル国内では10兆円でのIPOと言う噂もあるようです。創業が2013年なので、わずか8年で10兆円企業。とんでもないスピードであるとともに、いよいよ未来の大国ブラジルがこれを機に目覚めるか、と現地にいる人間としてはますます応援したくなります。
ここブラジルではNubank以外にもBanco Inter, Neon, C6 Bank, Original, BS2, PagBankなど相当数のデジタルバンクがここ数年で開業しました。ユーザー数はNubankが3500万人と抜き出ていますが、合計で4400万人に達していると言われており、実に総人口の22%程度がデジタルバンクを利用している計算になります。記事のメイン写真にしっかり写っていますが、色鮮やかな紫色のカードが特徴的で、私の周りでも8割はあの紫色のカードを持っていて、「君も持っているのか?」と言う会話を何度したことか・・・。
国内でもNubankがだいぶ突き抜けている感はありますが、今まで規制緩和に積極的だった政府やブラジル中銀は、群雄割拠になりつつあるブラジルのデジタルバンク業界に対してどのような政策をとっていくのか、非常に気になるところです。ブラジルは2億人を超える人口を抱え、今後20年は増え続けることを考えればそれだけでも魅力的な市場。
但し、競合者の増加や(金融は規制産業なので)新規制の導入などが主なリスクでしょう。