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詳しい検証はあとでと思いますが、
本件後のSBGの持分は開示資料をみると「日本でソフトバンク41%を保有し、欧州ではドイツテレコム4.5%、米国ではTモバイルを3.3%※保有へと通信事業エクスポージャーを多様化」。この程度の投資で、ドイツテレコムに役員を派遣したり、各社のユーザーにSBGの投資先企業がアクセスできるようになるというのがまずは驚き。
SBG側はまずは投資先のバリューアップを、キャリア側は土管化回避のフックを得るのが狙いでしょうか。
https://group.softbank/news/press/20210907
妄想だが、通信企業は国との関係が深い。欧州・グローバルでソフトウェア・データ関連企業に投資をする中で、そこのロビイング投資的な感じか?もちろんインフラを有することは重要だが、ピュアなROIで一番の注力領域にはなり得ないと思うし。子会社でキャッシュカウとして機能する(日本のソフトバンクなど)ならともかく、この持分ではそうならない。
BMW Group and Telekom launch in-car 5G and Personal eSIM networking options 09‑02‑2021の日本語訳___
BMWグループは、グローバルに販売されている量産車に5Gを導入した最初のプレミアムメーカーであり、ドイツテレコムは、それに見合った5G接続機能を初めて自動車向けに提供します。パーソナルeSIMは、MobilityConnectオプションにより、既存の契約を介して簡単に拡張・有効化することができます。これにより、スマートフォンが車内にない場合でも、スマートウォッチのように、車がお客様のもう一つの接続デバイスになります。
https://www.telekom.com/en/media/media-information/archive/bmw-group-and-telekom-launch-in-car-5g-and-personal-esim-networking-options-635058
本題ですが、有価証券報告書を確認するとこんな流れだと思います。
2018年4月
SBG、スプリント(SBG子会社)、ドイツテレコム、Tモバイル(ドイツテレコム子会社)の事業統合合意
2020年4月
スプリントとTモバイルの合併
実際には子会社との合併で、新Tモバイルをトップにして、スプリントを間接保有の完全子会社とする資本構成に
新Tモバイルの株主構成は、ドイツテレコム43%、SBG24%、Tモバイルとスプリントの旧株主が残り33%を保有
この際にドイツテレコムはTモバイルの株式約1億株について買取オプション2種類を保有(約8%分?)
SBGは一定条件を達成すると無償で新Tモバイルの株式4800万株の発行を受けることが可能
2020年6月~8月
SBGはTモバイル株式約2億株を子会社を通してTモバイルに売却(自己株式の買取、子会社はどこか不明、タックススキームの匂いがしますね)
この時点でSBGのTモバイル株式保有率は8%弱?
◆本ニュース
ドイツテレコムがオプション①を行使(対象株式数は約4500万株)
対価としてドイツテレコムは自社株式をSBGに発行
結果としてSBGはドイツテレコム株式を4.5%保有、民間で第2位の株主に
◆今後の流れの予測
(完全に私見で情報の信憑性は解りません)
ドイツテレコムはオプション②を行使(対象株式数は約5600万株)
行使価格が異なるので一概に言えませんが、ほぼ同じ金額で対価としてドイツテレコム株式を交付したとすると、SBGのドイツテレコム株式保有割合が10%程になるイメージ
さらにSBGは一定条件でTモバイルの株式をさらに追加で4800万株保有できるので、この辺りもドイツテレコムとの交渉材料になりそうですね。
どこかの海外サイトで、ドイツテレコムの株主順位は①17%、②15%、③4.9%というのを見かけました。筆頭はドイツの国営金融機関のようです。ここからは仮説で、第二位がもし国営だとする、3位の4.9%以上が民間1位の株主、そうするとSBGがそこを越えるところがまずターゲットでしょうか。
今後の動きが気になるところです。
個人的にはタックススキームも絡んできそうで、そこが一番気になります。
ビジョンファンドは通信を主軸とした周辺領域への投資に振り切った印象がありましたがどういった戦略なのか。
SBGのほうが分かりやすい。