【解説】話題沸騰。銅は「新たな原油」か?
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南米のチリは、2010年にOECDに加盟するなど、高所得国です。その経済を支えている要因の一つは、世界一の銅鉱石の埋蔵量とこれまでの堅調な価格でした。
リーマンショックで資源価格が下落して、同国の貧富の差の拡大が顕著になりましたが、近年の国際価格の回復はコロナパンデミック下の経済を下支えしています。しかしながら記事中には、銅資源は40年以内に枯渇するとのこと。
過去に多くの国が「資源の呪い」を受けて、貧困に苦しんでいます。リン鉱石のナウルや原油のベネズエラなど、ひと時の栄華の後の経済の悪化は著しい。
チリは、銅で得た資金を他産業の振興に当てて、「資源の呪い」の罠にハマらないように、早い時期からの準備を期待したい。
注目のコメント
「金の斧 銀の斧」で知られる寓話があります。きこりが川に鉄製の斧を落としてしまったところ、女神が現れ、「あなたが落としたのはこれですか」と金の斧、次に銀の斧を見せる物語です。
ゲームでも、金や銀の武器・鎧が登場しますが、実用性とコスト面の双方から、実際には金や銀の武器・防具はないはずです(飾り物はあるかもしれませんが)。
一方、青銅器時代に象徴されるように、銅は錫(すず)との合金である青銅として、鎧や兜に実際に使われた歴史があります。
そんなわけで、金銀銅と並んで扱うこともあれば、実用面で鉄やアルミばりに活躍している汎用素材である銅。元来、「ドクター・カッパー(銅)」という言葉からして、あらゆる製品に使われる銅は景気を示す指標とされてきました。
その銅が「New Oil」とも形容される今、世界の経済界が、銅の高騰に注目している背景について解説します。冒頭で紹介されている「蛇口の盗難事件」を追った、NHKの新人記者の方のルポが面白かったです。街のニュースも世界に繋がってるんだな……と思わされる、ジャーナリスティックな内容でした。
蛇口はなぜ消えた? 追いかけた先には…
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210723/k10013150011000.html