フィリピン航空、米で破産法申請 コロナで需要減響く、運航は継続
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フィリピン航空の親会社はPALホールディングスで、さらにその株式の大半を保有しているのはLTグループ、つまり大富豪のルシオ・タンです。今回は報道によるとPALホールディングスの破綻ということではなく、あくまで航空会社としてのフィリピン航空の破綻処理とのことで、株主資本を削るというよりは、主に航空機リース料の支払い免除を求めるための破綻処理であるように見受けられます。そのため、リース主が多い米国で破綻処理を申請したものと考えられます。航空機リース料は飛行機が飛ぼうが飛ぶまいが出ていってしまうもので、コロナ禍で財務が厳しい中において大きな負担となっていたものと想像されます。
今回はそうした債務を極小化し、あらたにLTグループから資本注入を受ける形での再建案となる模様で、リース料の支払い停止の代わりに借りている飛行機を返却し、経営規模を一時的に縮小して支出を減らす考えのようです。ちなみに利用客が保有する予約はもちろん、マイルや返金処理についても今まで通り行われるとのことで、利用客の権利は最大限尊重された形となっていますのでご安心ください。
フィリピン航空も、他の東南アジアのナショナルフラッグ同様、長年の赤字体質からの脱却も課題の一つとなっています。ワクチン輸送や、出稼ぎ労働者の帰国の足など多くの役割を担う航空会社ではありますが、引き続き体質改善が求められる状況が続きそうです。