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[ロンドン 3日 ロイター] - IHSマークイットが3日発表した8月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は59.0で、15年ぶりの高水準だった前月の60.2から低下、速報値の59.5からも下方修正された。

景況拡大と悪化の節目の50は引き続き大きく上回った。IHSマークイットのシニアエコノミスト、ジョー・ヘイズ氏は「第3・四半期も前期比で力強い成長が見込まれ、年内に新型コロナウイルスのパンデミック前の水準を取り戻しそうだ」と述べた。

INGのバート・コリジン氏は「最近の調査やナウキャストの指標によるとユーロ圏の成長モメンタムは弱まっている。回復が適切なペースで続き、パンデミック(世界的大流行)前の域内総生産(GDP)とのギャップを迅速に埋められるかが大きな問題だ」と述べた。

サプライチェーン(供給網)の停滞による原材料コストの高騰は継続。投入コスト指数は69.5と、前月の69.9からは低下したものの、記録的高水準近くとなった。

サービス部門PMIは59.0で、2006年6月以来の高水準だった前月の59.8から低下した。

ロックダウン(都市封鎖)再導入懸念が楽観的見方を冷やし、サービス業事業見通し指数は69.1から4カ月ぶり低水準の68.9に低下した。

ヘイズ氏は「ロックダウン(解除)後の高揚感が収まれば当然ながら成長の勢いも鈍ることになる。他に多くの下押し要因が存在する」とし、新型コロナのデルタ株の広がりに加え、原材料不足の深刻化、輸送のボトルネックが引き続き事業活動を制約すると指摘した。