2021/9/5

米で急増。職場の「ワクチン義務化」がもたらす混乱

INDEX
  • ワクチン接種が「採用条件」に
  • 労働者の「格差」を助長するおそれも
  • 国を二分する議論に発展
  • 「ワクチン反対派」を締め出す作戦
  • ワクチン回避のために転職する人々
  • 業界により異なるワクチン・ポリシー
  • ワクチンが採用市場のルールを変える

ワクチン接種が「採用条件」に

プール・スパ関連用品の製造販売を行う「レスリーズ」に就職したいなら、新型コロナウイルスのワクチン接種は必須だ。
従業員5000人以上、全米に900以上の店舗を展開するレスリーズは、このワクチン・ポリシーを公表していないが、応募要項にはしっかり記されている。
アメリカでは求職者に、学歴や経歴などの一般的な条件に加えて、ワクチン接種の証明を求める企業が増えている。もっとも、レスリーズを含む大半の企業が、健康や宗教上の理由による例外も認めてはいる。
8月23日に米国食品医薬品局(FDA)は、ファイザーとビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスワクチンを正式に承認した。
今後、企業における接種の義務化はさらに広まるだろう。これは雇用主と求職者の双方にとって未知の領域であり、新しい仕事に応募して採用されるまでの(ただでさえ)厳しいプロセスに、プライバシーと政治と健康の問題が介入してくることになる。
(Saul Martinez/The New York Times)