[ワシントン 1日 ロイター] - 感染力の強い新型コロナ変異ウイルス「デルタ株」がまん延する中、ワクチンの接種を受けた米国人の大半が追加接種(ブースター接種)を希望していることが、ロイター/イプソスの世論調査で分かった。

米政府はコロナ感染に対するワクチンの予防効果が低下していることを踏まえ、保健当局の承認が得られれば今月20日から追加接種を開始すると発表。ただし、多くの科学者は追加接種の必要性が証明されていないと指摘した。

8月27日から30日にかけて行った調査によると、コロナワクチンを少なくとも1回接種した成人のうち、76%が追加接種を希望。これに対し、6%は希望しておらず、18%は分からないと答えた。55歳以上では80%が接種を希望すると回答した。

追加接種を希望する理由としては、約43%がデルタ変異株が不安だからと説明。34%以上が自分の年齢を挙げた。また、最初に受けた接種が効かなくなったと心配する人は28%、免疫力が低下するなどリスクが高いと答えた人は15%に上った。

テンプル大学の感染症専門家であるジェイソン・ギャラガー氏は、今回の結果について、デルタ変異株に対する不安を反映しており、科学者よりも一般市民の方が追加接種に積極的だと分析。「医療関係者の間では、追加接種の必要性について多くの意見が交わされているが、一般の人々は医療関係者よりも追加接種に前向きなようだ」と述べた。

さらに、追加接種は全ての人に必要なわけではなく、希望しない人がいても問題はないが、リスクのある人は接種を受けたほうがよいと提案した。米国では先月から、免疫力が低下している人を対象に追加接種を行っている。

米疾病対策センター(CDC)の調べによると、8月31日時点で米国内の成人の25%にあたる6600万人以上が1回もワクチンを受けていない。

調査はオンラインを通じ英語で実施。米国の成人4427人から回答を得た。