アフガン撤退は「米国に最善の決断」 バイデン氏演説
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撤退戦で最後に撤収する部隊は、古来「しんがり」などとも呼ばれ、敵の追い討ちを受けて大規模な被害を出しかねない特に危険な任務。「しんがり」の犠牲を最小化するという純軍事的な目標に限れば、撤退作戦そのものでの米軍部隊には犠牲がほとんどなく(民生空港での警備に対するテロの犠牲のみ)戦闘の主要な相手であったターリバーンからの攻撃を受けることなく撤退を完遂したことは成功と言えるだろう。しかし米国は20年間、単に軍を進駐させ引き上げたのではなく、国家建設やカウンターインサージェンシーのためにアフガニスタンに大規模な関与介入をしてきた。その成果がほとんどない、あったものも壊して、多くを捨てていくのだから、この大きな目標に関しては失敗だろう。それらについてアメリカが失敗したと認めるのではなく、そもそも目標ではなかった、目標とすべきではなかった(だから自分は悪くない)と正統化するのは、米国の掲げる価値や指導力に対する疑いを生じさせる。
30分弱の演説を聴きました。演説の中の言葉で要約すれば「撤退するのか状況悪化を待つのか」が選択肢であり「この永遠に続く戦争を延長するつもりはなかった」。演説そのものは良く練られて準備されたもので、伝え方も力強かったかとは思います。ただ、撤退のゴタゴタについての同盟国の根強い不安は変わらず。
アフガン撤退は「最善の決断」ではあったと思う。しかし、それは10年前に取られるべき決断であった。ビン・ラディンを殺害した後にタリバン掃討と民主国家の建設を目標としていたのであれば、この10年は失敗であり、敗走である。