2021/9/1

【解説】誰がECで稼いでいるのか

NewsPicks 記者
ビッグウェーブが日本にやってきた。
欧米で、Amazonの出品者を買収するビジネスが一気に盛り上がる中、日本でも成功したAmazonセラーたちを買いあさる動きが到来している。本家本元の米Thrasio(セラシオ)が日本上陸を果たし、日本からEC界で実績を持つ企業たちも買収ビジネスに乗り出した。
その一つが、日本で10年以上に亘るEC支援の実績を持つ「いつも」だ。
「日本は、Amazon一強とはECブランドの特徴が全く違う」
NewsPicksでは、こう説明する「いつも」の副社長の望月智之氏に直撃。日本で成功する出品者たちの条件、マーケットプレイスが持つ特徴、そして、いつもどういったECブランドたちを買収するのかまですべてを解説してもらった。
INDEX
  • ECに起業家が集まりだした
  • 転売よりも自社ブランド
  • アマゾンで勝つ出品者の特徴
  • 「楽天」を押さえる重要性
  • スモールブランド200社を買う

ECに起業家が集まりだした

──Amazonに出品するAmazonセラーと呼ばれるブランドの買収が世界的に起きていると聞きます。出品者周りで今どんなことが起きているのでしょうか。
望月 Amazonブランドで稼ぐ潮流が起きる前段として、2年前くらいに「D2C」という言葉が出てきました。これが結構大事なキーワードです。
D2Cという言葉の解釈はさまざまですが、広い意味では、元々EC事業者と呼ばれていたプレイヤーを置き換えた言葉でもあります。D2Cという言葉にしたことで、すごくイメージが良くなりました。
そこから、若い起業家や、SaaSビジネスやメディア事業をやっていたような優秀な人材がD2Cに参入し始めました。そうやって、マーケット全体が活性化したというビッグトレンドが背景にあります。