英ブリティッシュ・エアウェイズ、格安航空に参入か
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大手航空会社の格安航空への参入は、コロナ前は鬼門だというのが常識のようになっていました。米国でもユナイテッドやデルタが子会社として設立したLCCがあったものの、結局運航を取りやめた経緯があるほか、記事中にあるようにブリティッシュエアウェイズ自身も、過去にLCCを保有していたものの事業を売却してしまったことがあります。たとえばエールフランスも2017年にJoonというLCCを作ったものの2019年に運航を終了しているほか、ブリティッシュと同じIAGグループのイベリア航空が2017年に設立したLEVELというLCCも、結局今はイベリア航空の便として運航されています。
日本でもピーチやジェットスターの設立について、ANAやJALは当初距離を置いていました。安全であるイメージが求められる航空業界で、LCCはマッチしないのではという疑問があり、欧米での失敗を見ていたこともあり慎重になっていました。
ところが、コロナによりそうも言っていられなくなってきた、というのが大手航空会社の実情になっています。現にANAはピーチの株を買い戻すような格好で子会社に入れました。JALも鬼門と言われる長距離LCCに果敢にも挑戦しているような状況です。ビジネス需要はコロナ前のようには戻らない、仮に国際移動の制約が解除されたら、まず戻るのは観光需要だろうということです。現に今のアメリカやヨーロッパの実態としてはバカンス需要が多くなっていることもあり、航空会社としても目をつけているということではないかと思われます。
そもそも飛行機を飛ばすのには多くの人手が必要です。これがコストを上昇させる一つの要因となっています。これからは自動化によりできるだけ人手をかけずに飛行機を飛ばせるような仕組みを作った会社が利益を上げられるような業界になる、というのが業界の中にいる人間としての印象です。短距離・格安、と。元々欧州はRyanair含めてLCCが多い。そのなかで、フルサービスキャリアはLCCに参入したりもしてきたが、上手くいっていない。今回の参入にあたって、ブランドや差別化をどうするのか。
個人的には、現在のFSCとLCCの間に、もう1個あってもいいと思っている。具体的には、JALの長距離LCCであるZIPAIRのビジネスクラスは面白いと思っていて、椅子などは快適だがビデオとかない。椅子と、食事と、サービスのアンバンドリングをして、快適性(座席や座席間隔)にはお金を投じるが、それ以外はお金を投じなかったりオプションにする。
スマホ・タブレット・PCがこれだけあるので、別に機内エンタメはそれでいいという割り切りをしちゃえると思う。椅子さえ一定快適であれば、あとはどうにでもなる。短距離でも、LCCほどすし詰めにはなりたくないけど、数時間なら自分の持ち込み弁当で安くしてほしいというニーズもあると思う。コロナのおかげで人流も、物流と同様に無駄な出勤・出張等の運送、宿泊(在庫)を効率化させる動きが出てくるようになったということでしょう。最終的には、自動運転車の普及が決め手だと思います。