渡航臓器移植で邦人2人死亡 ブルガリアへ、業者仲介
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ブルガリアでは最近、ドナーはウクライナやモルドバなど貧しい国、レシピエントはイスラエルや日本など裕福な国の富裕層という組み合わせで脱法的な生体移植が行われていたことが表面化。欧州メディアによると、レシピエント側が偽の身分証明書を使っていたことなども明らかになっていました。今回の事案もその一環で明らかになった可能性があります。グローバルな移植闇市場の存在は以前から指摘されてきました。国をまたいだ移動が大幅に減った中でもこうした事案が続いていることは驚きです。コロナ禍で臓器提供件数が大幅に減少していることも無関係ではないでしょう。
2つの例を挙げて、日本の問題を浮かびあげるというのは無理があるようにも思われますが、一方で1人ではないという点、ともに最も重大な「死亡」というアウトカムにつながってしまっている点は、これが氷山の一角であり、背景にさらに多くのニアミスケースが隠されているということを想像させる報道でもあります。
肝移植後の院内死亡率は、5%前後と報告されており、最善の治療を受けていても術後死亡のアウトカムもありえますので、移植医療の質を問うというのには飛躍があると思いますが、十分なインフォームドコンセントのプロセスが取られていない点、(今に始まった構造ではないですが)「仲介業者」の存在は見逃せない大きな問題です。その上で人の命が奪われてしまっているわけですから、この少数の報告でも十二分に議論されるべき点だと思います。
おふたりのご冥福をお祈りします。世界には臓器輸出のブラックマーケットがあります。臓器の出どころは、アフガニスタン難民やシリア難民、アフリカ各地からの難民などです。臓器を買い集める業者がパキスタンやトルコ、エジプトなどにいます。
買い集めた臓器を移植する拠点として、ブルガリアがあります。ブラックマーケットで買い集めた臓器は、日本や米国、西ヨーロッパの先進国で移植するのは無理です。
ブルガリアでも、ブラックマーケットの臓器を移植することは、法律で禁止されています。しかし、金さえあれば書類のごまかしが可能な国です。「甥から叔父への移植」であるといったように、親族間の移植として処理されます。実際は、アフガニスタン難民やシリア難民の臓器です。移植を受ける「叔父」や「叔母」はイスラエル人やアラブ湾岸諸国の富裕層です。日本人も新しい顧客として増えています。
ブルガリアは医療の水準からいえばあまり安心できる国ではありませんが、安価で、こういうブラックマーケットとのつながりと法的なすり抜けができるので、世界各地から顧客を集めています。
これもメディカル・ツーリズムの一面です。トルコは、メディカル・ツーリズムの国際展開に積極的な国ですが、こういうコーディネートもやることで、一定の国際競争力を持っています。
Bulgaria caught up in organ transplant for the ‘super rich’ scandal
https://www.euractiv.com/section/politics/short_news/bulgaria-caught-up-in-organ-transplant-for-the-super-rich-scandal