コンテンツのネット配信 NHKに社会実証の検討を要請へ 総務相
コメント
選択しているユーザー
注目のコメント
テレビの番組は電波塔から放射される中波を、個別の受信機(テレビ受像機)で受信して見るという「放送」でずっとやってきました。
しかし、実は、ばかでかい電波塔を必要とする「放送」ではなく「インターネット 」で配信できたんですね。ブロードバンドが普及した2000年代には。
諸外国は、これにともなって、「放送」と「ネット」の同時配信をだいぶ前に始めていますし、地上波をやめてしまったスイスのような国もあります。
これが日本で進まなかった最大の理由は、新聞社が株をもつキー局、そしてローカル局のネットワークが、ネットで同時配信をされては、ローカル局の経営がたちゆかなくなるからでした。
現在日本のローカル局の番組のうち自主制作率は8パーセント程度。他の時間帯は準キー局やキー局の番組を流して、このネットワーク分配金でローカル局のビジネスはなりたっていたのです。そしてローカル局の社長、役員は、新聞社からの「民」下り先です。
この1950年体制をネットの同時配信は壊す、ということで、民放はやってきませんでした。しかし、nhkがNHKプラスで同時配信を2019年4月に始めた。それをさらに加速させようということなのでしょう。
「放送」から「ネット」への電送路の変換の動きはいくら規制でしばってもとまりません。
まずローカル局が大きな再編の波にあらわれることは必定。政府、内閣府、総務省の最終的な目標は、テレビ放送を配信にして、IOTなどで無茶苦茶貴重になる電波をテレビ局から取り上げることです。これは内緒でもなんでもなく、内閣府の規制改革推進会議の答申に書かれていることです。コロナ禍の巣ごもり需要で、テレビでNetflixやAmazonプライムやWoutubeを見るという習慣が急速に広まってきました。NHKの民放各局が同時配信や見逃し配信、アーカイブスのVODを進めれば、貴重な電波を動画を送るという単純な目的のためだけに使うのはもったいない、いま、テレビ局がやっている放送は全て配信にすれば、一番おいしい周波数帯をはるかに有効利用できる、ならばテレビ局から電波を召し上げようとなります。私はテレビ局出身者ですが、これは国民の利便性を考えるととても正しいことだと思います。
この最終目的へ向けた最初の布石が、この総務相の発言です。これはNHKは快哉を叫んでいるのではないでしょうか。人の悪い私は、NHKがロビイングしたのかと詮索したくもなります。NHKプラスは、民業圧迫との批判への配慮から、同時配信は午前6時からに遅らせています。そして、そもそもNHKのネット費用には200億円の上限が設けられています。今回の大臣発言は、そうした流れを反転させる意味合いもあるのではと考えます。民放はたまらないと思いますが、自社の目先の経営にこだわって時代の潮流に逆らうような振る舞いをすれば、民放そのものが見放されてしまいます。映像コンテンツはもはやスマホで見る時代です。若者はテレビを持っていません。NHKに望むことは、研究開発の成果を民放に供与し、民放のモバイルシフトを助けることだと思います。民放は、モバイルシフトの中でも収益を上げられるシステムを早く構築することでしょう。