アフガンで爆発、13人死亡 IS系攻撃か、約60人負傷
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1度目の自爆攻撃の後、救護活動が行われているところに、2度目の自爆攻撃が起きました。2度目は爆薬を積んだ車両で突入して自爆、前後して銃撃も起きています。典型的なイスラーム国の自爆戦術です。
現場には遺体が散乱している状態ですが、13人よりもはるかに多いです。米兵も4名が死亡しています。大多数は脱出を求めてつめかけていたアフガニスタン人と見られます。
昨日はイタリアやドイツ、カナダは完全に撤退して作戦を終了しましたが、米軍や英軍はまだ残っています。イスラーム国による攻撃は予想されていたことで、米国政府もターリバーンも、誰であれ空港に近寄らないことを求めていました。しかし、数千人のアフガニスタン人がつめかけている状況は変わっていませんでした。
イスラーム国というのは、世界のどこかに自分たちの国を建てるのが目的ですが、そのために、国を建てられそうな地域に集結するのが基本方針です。それは、まともな政府と軍隊があって治安が維持されているような国では無理です。いくつもの勢力が争っていて、政府が弱い、混乱した国である必要があります。アフガニスタンから米国がいなくなり、政府が弱くなって混乱を広げれば、自分たちのチャンスが来る、というのが彼らの発想です。イスラーム国は、自分たちがつくる政府以外は認めないので、ターリバーン政権も彼らにとっては倒すべき敵です。最初の爆発の現場はカブールの国際空港から150メートルのバロンホテルで、このホテルはイギリス軍の駐留地であるとともに、脱出希望の現地協力者の集合地点で、ここから米軍の輸送ヘリなどで空港まで運ぶ拠点になっていた場所です。
まず爆発物による自爆テロがあり、負傷者の救助のためアメリカ軍兵士が向かったところに、銃撃が加えられ、銃撃戦となったとのことです。
そこに自動車爆弾が突入し多数の犠牲者を出しました。
これはダブルタップと呼ばれるイスラム国の典型的なテロ戦術です。
更に市内での爆発は続き計5回の爆弾による攻撃があったという報道もあります。
死者負傷者は午前4時30分現在で確認されているだけでアメリカ海兵隊員12人が死亡、15人が負傷し、脱出希望者ら60名以上が死亡したと見られていますが、未だ議会付近などで銃撃戦が続いており、更に犠牲者は増える可能性があります。
今回のテロはイスラム国分派の一つである、イスラム国ホラサーン州(ISIS-K)が実行したもので、タリバンもアメリカ軍も共に数日前からテロ計画があることを警告して、空港に近づかないよう規制をかけていました。
又一昨日にはイギリス軍からも攻撃の可能性が切迫しているとの警告が出されていましたが、テロを未然に防ぐことはできませんでした。
タリバンは8月初めに捕虜にしたイスラム国ホラサーン州のリーダーの一人を処刑するなど、同組織とは仇敵とも言える関係にあり、今回の攻撃はホラサーン州にとって仇敵タリバン、侵略者アメリカとその協力者を同時に攻撃できる絶好のチャンスで、かつアフガニスタンの混乱を拡大させて、勢力拡大を目論む狙いがあると見られます。
一方今回のイスラム国のテロでアメリカ人に多数の犠牲者を出したことで、アメリカの政策にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
バイデン政権はタリバンの政権掌握を認めず、経済的にアフガニスタンを締め上げる姿勢をとってきましたが、もしアフガニスタンの内政が混乱すれば、今度はタリバンに代わってイスラム国が台頭し元も子もなくなる可能性が出てきたからです。
バイデン政権がこの事件にどう対応するかが、注目されます。カブール国際空港近くのホテルで爆発。退避を待つ米国人らが待機していたという。自爆テロであればISIS-Kかもしれない。タリバンが波風立てるには早すぎる。米軍は空港の敷地内で活動しているので、空港の外のことはなかなか把握できない。報復するわけにもいかないから結局、米軍の退避のスピードを早めることになるのでは。タリバンとISIS-Kでカブール市街戦が始まるか懸念される。