米軍撤収、期限延長なら「結果」伴う タリバンが警告
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この記事の写真のスハイル・シャヒーン氏は、こわもての様ですが、ターリバーンで20年以上外交畑を担当してきた人で、今はカタールに駐在しています。外国メディアの取材に英語で答えることが多いです。
ターリバーンの立場とすれば、自分たちが正統な政府なので、外国軍の駐留は、自分たちの許可が無ければ不法、ということになります。米国などによる脱出作戦は、空軍機が離着陸するだけではなく、5千人以上の米兵や英兵がカブール国際空港に駐留することで行っています。
8月31日までに、欧米国籍の人々だけならともかく、アフガニスタン国籍の保護対象まで脱出させるのは、確実に無理です。10万人は超えそうですが、これまで1日5千人くらいのペースでしか脱出できていません。おとといくらいからペースが上がって、1日1万人くらいになっていますが。
8月31日以降はどうするか、ですが、そこは交渉でしょう。ターリバーンとしては、欧米、特に米国との外交関係はどうしても欲しいところです。今のアフガニスタンは、燃料も、食料も、輸入に依存していて、輸入が止まれば生活が成り立たなくなります。外国からの援助が無ければ、輸入する資金もありません。
脱出作戦の期間延長が交渉材料になるのであれば、ターリバーンとしては、できるだけ強気に出て、好条件を引き出したいでしょう。バイデン大統領が、本来は5/1のアフガニスタンからの撤退期限を9/11まで延長すると発表したのが4/14だった。この翌日の4/15に、タリバンは米軍の撤退延期をドーハ合意違反として攻撃再開を警告した。そして実際にバイデン政権の下で米軍が撤退を開始し始めたのは4/30だが、この同日に大規模な爆弾テロが行われ、100人以上が犠牲になった。そして、この日からタリバンの攻勢は強まり、8/10までにアフガン北東部を中心に6州を制圧することになる。その後のカブール制圧(8/15)までは雪崩を打ったように展開していく。このように、タリバンにとっては、米軍の撤退延長は許せるものではないことは明白。彼らが「結果」を伴うというなら、それは実行されることは間違いない。