[ロンドン 23日 ロイター] - IHSマークイットが23日発表した英国の8月の総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は55.3で、7月の59.2から低下し2月以来の低水準となった。ロイターがまとめたエコノミストの予想中央値(58.4)も下回った。

人手や原材料の前例のない不足が続く一方、インフレ圧力はやや和らいだ。

IHSマークイットのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は、成長ペースは、新型コロナウイルスのパンデミック前をやや上回ったとしながらも「第2・四半期の力強い回復の勢いが第3・四半期に失速しつつある明確な兆しが出ている。行動制限措置はパンデミック開始以来、最も緩いレベルになったものの、感染再拡大で、消費者を中心に支出が抑制され、人員・供給不足が成長を阻害している」と述べた。

企業は、新型コロナ感染者との接触が判明すると一定期間自主隔離しなければならない規定の影響で従業員の確保が困難になっていると主張していた。この隔離ルールは8月13日から緩和され、2回ワクチン接種を受けた人は対象外となった。

ロイズ銀行のエコノミスト、リース・ハーバート氏は「一部の企業は採用難を感じている。サプライチェーンの混乱も続く中、7月の消費者物価指数(CPI)の伸びが鈍化したものの、インフレ圧力は引き続き当面の懸念だ」と述べた。

一時帰休していた従業員の復帰を背景に、雇用指数は過去最高を記録。将来の生産に関する楽観的見方が強まった。

投入価格指数は、7月の20年ぶり高水準から低下。販売価格指数も6月の過去最高からさらに低下した。

総合PMIの低下は、サービス部門が主な要因で製造業は小幅な低下にとどまった。ただし、供給制約の影響で自動車や電気製品の生産は減少した。

8月PMI速報値は、8月12─19日の調査結果に基づく。