みずほATMトラブル、公表はHPで全面復旧の90分後…130台使えず
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既存のシステムの改修は、新規のシステム開発よりも難しい。
新機能の追加でも既存機能の改良でも、前提として、いま正しく動いている機能や処理がおかしくならないことが必要となる。
これは、普通に考えればあたりまえのことではあるが、頭で考えるほど簡単なことではない。
うまい例えが思いつかないが、巣ごもり生活を充実させようと思って冷蔵庫を大きなものに買い替えたら、幅が大きくて隣の食器棚の位置を変えなければならなくなったり、扉が少し大きくなったことで食材の出し入れの時に冷蔵庫の前を通りにくくなってキッチンの使い勝手がなんとも悪くなった。
という感じのようなことが起こると表現すればよいだろうか。
要は、この機能を追加すれば便利になると考えたことが、選択肢が増え、処理の流れが変わることで、複雑になり、利用者が混乱し、結果「使いにくくなった」と評価される。あるいは、予想していなかったところに影響があり問題が生じる。
きちんと設計し、テストもしているのにそのようなことが起こる。
それを防ぐには、様々な段階でテスト・レビューなどを行い品質を積み上げていくしかないのであるが、このみずほ銀のようにシステムが巨大で当初の設計者もおそらく居ない状態で統合による機能の張り合わせのようなシステムでは、改修でミスを起こさないようにすることはかなり困難なことだと思われる。
このようなことから生じたシステム障害と言える。
ただ、
それでも、利用者に損害を与えないことは最低限必要なことであり、金融会社としては社会に対して責任を持たなければならないことだと言える。
システムの作り手側からは、同情できるところもあるが、
銀行を利用する客の側屋としては、利用をためらう銀行といえる。
いつ送金ができなくなるかわからない銀行。
入金のあったお金の引き出しが必要な時にできなくなるかもしれない銀行。
もし、こんな状態が起こるとすれば、よほど金利がついたり高利回りの商品が売られていない限り預金者が離れていくと思う。
システムを一から刷新できればよいが、システムの規模を考えると簡単ではない。今のシステムを使いながら、数多くの機能の一部分ずつを刷新システムに移行していくような方法しかないのではないかと思う。
ただ、その時間もすでにあったはずと言える。
この問題、解決は簡単ではないと思う。スパゲティ状態なレガシーをいくら改良してもキリが無いから、スクラッチでクラウド上に堅牢かつアジャイルなシステム作った方が早い。そしてみずほだけでなくMUFGとか一部のクラウド移行が進んでいる金融機関以外、日本中の銀行が数年内に同じ状況になりそう
昔の話で今は違うと思うが、かつてこのグループと仕事をさせてもらった時に印象に残ったのが、発注元が絶対と言わんばかりの高圧的な態度。こういう慣習が未だに残っている会社がある。どちらも互いにリソースを提供しているのだから同じ立場です。この前提がない会社のシステムは大抵失敗します。
ましてやシステムは新規に作るより改修する方が、技術上の縛りや潜在バグ、テスト数やデータ移行の点で遥かに難しいのです。現場の方々はそういう中で黙々と対応しています。
なので仮にこういう環境で進めると、現場はどんどん入れ替わります。そうするとますます対応レベルが下がります。それに上位職がイラ立ち、ハッパをかけます。こうやって悪循環は続きます。
システムがどういう状態になっているか知りませんが、大切なのはそれぞれの立場で然るべき仕事をすることです。風通しが悪い環境を改善しない限り品質は上がらないでしょう。これは手段の問題ではありません。