(ブルームバーグ): UBSグループのアジア富裕層顧客は、サステナブル資産に数十億ドルを投資している。アジアで増える富裕層が社会的責任投資の世界的潮流に乗る動きを反映するものだ。

同行によれば、アジア太平洋地域のプライベートバンキング(PB)部門ではフルサステナブルな投資一任ポートフォリオの運用資産額は6月末時点で45億ドル(約4940億円)と、昨年初めの10億ドルから大幅に増加した。投資一任ポートフォリオでは、富裕層はUBSに資産運用を委託し、運用報酬を支払う。

UBSグローバル・ウェルス・マネジメント・チーフ・インベストメント・オフィスのグローバル資産アロケーション責任者エイドリアン・チュルヒャー氏は香港での説明会で、数年前にはアジアでのサステナブル投資への「懐疑論」が強かったが、今は「この地域の顧客が個人的関心と投資を一致させたいと考える確かなトレンドが存在する」と指摘した。

新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)や、気候変動対策の国際的取り組みの加速を受け、過去数年でサステナブル投資への関心が高まった。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)によると、社会正義や環境保護への支援をうたう金融商品の市場は、既に世界で推定35兆ドル規模に上り、 2025年までに50兆ドルを超える可能性が高い。

UBSによれば、最近導入したデジタルプラットフォーム「マイ・ウェイ」では、アジアのPB顧客の70%余りがサステナビリティー志向の構成を選択したという。

原題:UBS’s Rich Asia Clients Poured Billions Into Sustainable Assets(抜粋)

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