ブラックロック・ジャパン、政井前日銀審議委員が取締役に就任へ
コメント
注目のコメント
親会社の米ブラックロック社は世界最大の資産運用会社で、2021年6月現在の運用資産額は9.49兆米ドル(約1,043兆円)と巨大です。機関投資家(政府系年金基金や民間投資ファンドなど)から運用を委託された資金が、運用資産の多くを占めているようです。世界各国の投資先に投資を行い資金運用しています。日本での投資先および顧客の管理は、子会社のブラックロック・ジャパンが担当していると思います。
金融政策の面からの質の高い助言を得られれば同社の業績に好影響があると考え、政井貴子前日銀審議委員に取締役への就任を要請したということでしょう。理にかなった考え方です。
日銀審議委員の正式名称は「日本銀行政策審議委員会審議委員」で、(株式会社ではなく株主総会もない)日本銀行の最高意思決定機関です。日本銀行の重要な意思決定は、政策委員会で議論したうえで、多数決で決定されます。特殊法人である日本銀行の、株式会社でいうところの社外取締役のような役割が求められており、日本銀行の職務執行が政策委員会の定めた基本方針等のとおりになされているかを監督する責務を有することも定められています(日本銀行という企業の「企業統治の要」です)。
政策委員会は、総裁、副総裁(2人)および審議委員(6人)で構成されます。これら9人のメンバー(政策委員会委員)は、いずれも国会の衆議院および参議院の同意を得て、内閣が任命します。(日本銀行法第23条第1項)。余談ですが、勤務先大学の教員もメンバーの一人です。
日本銀行政策委員会
https://www.boj.or.jp/announcements/education/oshiete/outline/a07.htm/
政井氏は政策委員を退任されている立場ですから、利益相反上の問題も生じません。