都内重症病床の使用率7割 民間病床拡大進まず
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病床の使用率が7割でも現場のリソースが限界に近いのだとしたら、医療機関側の次のステップは、(すでに行なっている医療機関もありますが)通常診療を段階的に止めていくという対応になると思います。
私のニューヨークの医療機関では、全ての手術や処置、がん治療などが止まり、数ヶ月の間、病院の8-9割のベットが新型コロナの患者になりました。確かにコロナの対応としては充実するわけですが、他の病気で治療が必要な人は数ヶ月必もの間、必要な治療が受けられないことになります。適切な手術のタイミングを逃すケースもあります。
医療機関のフレキシブルな対応は災害などの緊急事態において大切なピースだと思いますが、このコロナ対応が多くの災害と異なるのは、一時的に過酷な状況を凌げばなんとかなるというわけではなく、これが長く続くという点です。
やはり何より大切なことは、感染者を減らすことです。重症病床の使用率が100%にならないのは、複合的な理由が背景にあると考えられます。そもそもコロナ病床として申請されている病床は、空いた状態でスタンバイしているわけではなく、そこの病床には他の病気で治療が必要な患者が入院しています。コロナ患者が増えてきた時には、それらの患者を他の病棟に移す、もしくは他の病院に転院させるなどの必要がありますが、特に重症患者を治療するためのICU(集中治療室)の患者を他の病院に転院させるのはかなりの時間と労力を要し、この病床逼迫の状況で転院先を探すのが困難になっている事情もあります。また、コロナ患者と非コロナ患者が同じ病棟に混在する場合、感染が非コロナ患者に広がることがないよう適切なゾーニングを行う必要があることから、普段は100%の稼働率のところでも稼働率を落とさざるを得ない場合もあります。
日本は医療アクセスがよい。裏を返せば呼吸器科の先生がおらずコロナを診ることも入院もさせられない民間病院が日本全国に散在している。したがって仮設のコロナ病棟、いわゆる「野戦病院」は、病床、酸素濃縮器、看護師、医師、治療薬など医療資源を効率的に活用できる。特に重要なのは中等症向け重点医療施設。
これまで神奈川県、大阪府、埼玉県、東京都などが臨時の医療施設を準備してきた。「船の科学館」敷地内に日本財団が整備した軽症者ら向け宿泊療養施設は仮設住宅140室(10室×14棟、約20平方メートル/室)でペット同伴も可能。これを中等症向けに活用していく。さらに加速化していく必要がある。