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注目のコメント
正義や社会問題を語ることは、いまやビジネスとしても「クール」だというのが、この特集のメッセージです。
社会正義と、健全なビジネス成長が「融合」したものになるーー。これがPURPOSE(パーパス)というふわっとしたキーワードを、世界中の経営者や、政策立案者、はたまたスタートアップまでが語っている背景にあります。
お金を稼ぎすぎないユニコーン企業(Lemonade)、事業そのものに気候変動との戦いを組み込んでいるものづくる(Allbrids)、再利用こそカッコいいという価値観を事業化する(Loop)。ひとつひとつを繋げてみると、新しい世代や価値観がつくる、経済ルールの刷新が見えてきます。
今週、NewsPicksから出版される『PURPOSE -意義化する経済とそのあと-』と連動した、特集をやってゆきます。いままでのNPとはちょっと違うシリーズを、ぜひご一読ください。ここで書くスタンスを悩みますが、実は複雑な気持ちでこの流れを見ています。
ここで掲げられた商品を生産する企業の多くに、私も拍手を送りたいです。ここまで徹底したロジスティックスを敷くことができるのは、素晴らしいです。
一方で見えていない闇もあってナイーブに信じすぎないでほしいな、と思います。企業が自分たちの悪事を隠し自分たちをよく見せるためにCause(大義)を使うプロモーションの仕方を、グリーンウォッシュ(気候変動テーマ)、ブルーウォッシュ(人権テーマ)、オレンジウォッシュ(社会正義テーマ)といいますが、その洗浄(ウォッシュ)の実態を明確に理解している人は少ないのではないでしょうか。
働き始めてからずっと、貧困削減NGO、気候変動テーマ、人権テーマ、CO2削減、途上国問題、日本のコミュニティ問題、など様々な社会課題に関する仕事をしてきて、市民側から突き上げる市民運動もやりましたし、企業側でCSRを経営に浸透させる戦略立案もやりましたし、自身が起業してコミュニティベースの会社を経営していることもあり、様々な側面を見てきました。
その視点からすると、現状ではSDGsの異様な盛り上がりも含めて、ひと昔前に「Cause(コーズ)マーケティング」と呼ばれた流れが、「Purpose経営」と呼ばれるカテゴリーに移動しただけのものが多々あります。経営には全然浸透していなくてPRだけ。
オーガニックだと思っていたのに実はオーガニックではなかった、CO2の計算根拠が実は曖昧だった、実は違う工場で作っている他の製品は児童労働を抱えていた、など見えない情報にまで、消費者は目を行き届かせられるかどうか?
ジョンマスターオーガニックの騒動が日本では広がらず、消費者のリテラシーの低さを感じましたが、「単なるトレンド」でしかなく、消費者が賢くなる流れではないのではないかという懸念が拭えません。
就職先としてもソーシャルな会社が実はブラックということは「あるある」で、それも理解した上で慎重に選んで欲しいと思います。三方よしを実現する会社は、相当綿密な経営計画を立てた優秀な経営者です。ノリではできません。
B Corpも各国で全く動きが異なります。Black Rock他、インパクト投資ファンドを運営する金融機関も他のラインアップは普通のファンドです。
今後の報道はそこまでカバーすべきです。Z世代とミレニアル世代のちょうど境界の年齢の経営者として(1995年生まれ)、如実に上の世代と下の世代で事業の内容、角度、方向性が違う印象を受けます。また、YouTubeやNewsPicksを通して、スタートアップの成功、失敗法則のようなノウハウも共有され、資金調達環境も潤い、改めて「何を自分は本当に目指すのか」という長期的なビジョンを考えやすくなった環境もあると思います。
もちろん若いからこその「ビジネス」化していない「ビジョン」だけのものもある一方、2025年にミレニアル世代が生産年齢人口の半分を超えることを考えると、彼らが考える世界、求める世界が経済社会を支える主体になることは間違い無いと思います。
生き残ることが出来る者は「強い者」ではなく、「変わり続けられる者」だけだ、という言葉がありますが、この社会の激動の時期に改めて今後の日本、世界へのソーシャルグッドと真剣に向き合い、楽しく多様な社会を創っていく活動を展開していきたいです。