[ニューヨーク 20日 ロイター] - 米国株式市場は大幅高となった。米連邦準備理事会(FRB)によるテーパリング(量的緩和の縮小)の早期着手を巡る懸念が後退した。

週半ばにはダウ工業株30種とS&P総合500種が終値ベースの最高値を更新したが、その後大幅な売りに押され、週間では下落した。

キーター・グループのマネジングパートナー、マシュー・キーター氏は「米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が発表されると『噂で買って事実で売る』ような動きが見られた」と指摘。来週開催されるワイオミング州ジャクソンホールで開かれる年次経済シンポジウムについて「過去何度も注目を集めたが今年はそれ以上だ」とし、「FRBはこの機会を活用して、今後の方針を伝えるかもしれない」とした。

S&P主要11セクターは全て上昇。情報技術と公益事業の上げが目立った。

第2・四半期決算はほぼ終了し、S&P500構成銘柄のうち476社が発表済み。リフィニティブのデータによると、その87.4%が市場予想を上回った。

米農業機械メーカーのディアは四半期利益が予想を上回り、通期見通しを引き上げたが、株価は2.1%安となった。

一方、米製薬大手ブリストル・マイヤーズ・スクイブは1%高。米食品医薬品局(FDA)が同社のがん治療薬「オプジーボ」を承認した。

中国当局の締め付けに直面している中国ハイテク関連企業の米上場株はまちまち。アリババ・ホールディングが1.6%安となる一方、テンセント・ミュージック・エンターテインメント・グループ(騰訊音楽娯楽集団)、滴滴(ディディ)グローバル、愛奇芸(アイチーイー)は1.6─3.7%上昇した。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を2.37対1の比率で上回った。ナスダックでは2.21対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は約87億2000万株。直近20営業日の平均は92億1000万株。