焦点：テーパリングで意見対立、ＦＲＢ議長に総意形成の難題

コメント

注目のコメント

• 井上 哲也

  野村総合研究所 金融デジタルビジネスリサーチ部　シニア研究員

  ・2021年08月17日

  個人的には、9月FOMCでテーパリングの決定を下すべきではないように感じます。
  
  第一の理由は、これから出てくる米国と海外の経済指標には鈍化の可能性があるからです。本来は、テーパリングの判断にはフォワードルッキングな視点が反映されるべきではありますが、鈍化が一時的かどうかを見極めても良いように思います。
  
  第二の理由は、記事が示唆する様に、テーパリングのペースや構成について合意が得られていないように見えるからです。テーパリングの開始だけ決めて、詳細は後日公表というのでは、却って市場の不安定化を招きます。
  
  その上で、今回は執行部内も含めて意見が対立していることは、むしろ健全であるように思います。しかも、こうした対外発信の結果、長期金利の低下に歯止めがかかれば、結果的にはテーパリングの影響を緩和することにも繋がります。