当面は感染抑制を優先、経済成長へ必要な対策講じる=西村経財相
コメント
注目のコメント
一度破綻した企業が再生するのは困難であり、だからこそ公的支援により「そうならない」ように誘導した上で景気回復を待つというのが常套手段かと思いますが、過去1年半の日本はこの「待つ」という時間帯が続いています。米国はQ1に、EAはQ2に、この「待つ」という時間帯を終えたと(私は)思います。
なお、少なくとも潜在的な成長率(いわゆる巡航速度)を超える歩みが出来ていないのはG7で日本だけであり、コロナという共通リスクがあってもそうなっている、という現実があります。方々でコメントが出尽くしているように医療体制の拡充が解なのだと見受けられますが、それよりも飲食店規制やロックダウンが切り札のように議論が進んでおり、このままでは来年も欧米と日本の回復軌道は不変ではないかというのが客観的な予想と感じます。事実、IMF予想は1月→4月→7月の予想改訂を重ねるたびにそうした軌道を強く印象付けています。その潜在的な回復力を押さえつけているのが、政府の活動制限策なのですが…
4~6月期のプラス成長も、政府が活動制限を繰り返すなかで、民間があの手この手で活動再開の道を探し出した結果だと思います。
決して政府のマクロ経済政策運営の結果ではありません。「感染拡大の防止策を講じつつ、外出・移動の制限が緩和されればペントアップ需要(繰越需要)もあることから個人消費は増加していくことが期待される」というのはどの国にとっても同じで、早いか遅いかの違いだけ。
米国は消費を既に増加させて4-6月期でコロナ禍前のGDPを回復し、英国とEUの同期間の成長率もそれぞれ年率換算20.7%増、8.3%増と急速です。その一方、ピーク時の新規陽性者数が欧米諸国の数十分の一に止まって、今なお数分の一に過ぎない我が国で行動制限が打ち続き、同期の成長率が年率1.3%に止まるのは何故なのか。
経済規模がコロナ禍前を回復するまでは、行動制限を解いたその日から、それなりの速度で消費も経済規模も回復するでしょう。しかし、日本銀行が日本の潜在成長率はゼロ近傍まで落ちたと見る中で「自律的な経済成長」をどこまで期待して良いものか。「約4兆円の予備費の活用」は所詮カンフル剤に過ぎず、その効果が一巡すれば日本は潜在成長率前後の低成長に戻ります。
国民に向けに甘い夢を語っても、何も変化は起きません。早急に行動制限を取り払って需要不足を解消するには今この瞬間なにを為すべきか、そして日本の本質的な成長力を高めるため、コロナ禍後を睨んでビジネス環境と産業の構造をどのように築くのか。日本の未来を担う経財相から、そうした話が聞きたいな・・・ (・・;