【栗野宏文】仕事にするのは「2番目に好きなこと」が良い
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『目の前のことに一生懸命取り組むことが扉を開く』
栗野さんと中長期の戦略の議論をしたことがある。
マイルストンを置いて何年後に何する、将来どうありたいか、の話はほとんどなく、
『社会はこう変わる、お客様はこう変わる、それにたいし、今私たちはどう行動するか』
視点は先でもいまの行動について語ることが大半。
視点は先にあるので、視点が今に近い人からすると、
そのアクションは唐突で不可能に感じることがあるが、躊躇わず提案し、言葉通り一生懸命やろうとする。
周りから変だね、なんであんなことやってんだろねと言われても気にしない。
なぜならお客様のためだから。
イノベーションを成し遂げる人の共通点だと思う。
利他に基づく崇高な目標があり、いまの常識から逸脱することを躊躇わない。
今なら私はこういえるが、1993年、栗野さんに出会った当時大学生だった私には創業者たちはただただワクワクと面白そうに夢中になって仕事をする大人達、に映った。そしてこんな人たちといっしょに仕事したいな、楽しそう、と魅了された。「一生懸命」が道をひらく、と聞くとなんだか精神論を掲げてお説教されている気分になってしまうかもしれませんが、私も凡人が幸せになる道はこれが最短距離だと思います。
『正直に言うと、恥じらいもあり当初は積極的にやりたい仕事ではありませんでしたが、どうせなら、振り切って一生懸命やることを決心しました。』
自分の気持ちを抑えきれないくらいにやりたいことがあって、考えるよりも先に体が勝手に動いているくらいの大志や目標があるならそうすればいいわけです。
何か情熱を持って取り組みたい、成功したいけど具体的に何をやっていいかわらない。そんな人はつべこべ言わずに目の前のことに誰よりも一生懸命打ち込んでみる。これに限るのでは。
詩人の相田みつをさんもこんな書を残していました。
『なんでもいいからさ 本気でやってごらん 本気でやればたのしいから 本気でやればつかれないから つかれても つかれがさわやかだから。』
まさに、そのとおりだなあ、と。ビートルズのエピソードにある、「アイデンティティを確立していく過程で服装が変わる=装うことがメッセージになる」話に共感しました。
自分自身を振り返っても、内面の変化によって服装が変わっているように感じます(今でもよく、子どもっぽいと言われますが)。