[ロンドン 12日 ロイター] - 石油輸出国機構(OPEC)は12日、新型コロナウイルス変異株「デルタ」の感染拡大が懸念されているにもかかわらず、今年は世界の石油需要が力強く回復し、来年も一段と増加するとの見通しを維持した。

月報で「世界経済は回復し続けている」と指摘。「しかし、この勢いを容易に弱めることができる数多くの課題が残っている。特に、新型コロナ関連の動向を注視する必要がある」とした。

2021年の石油需要は日量595万バレル(6.6%)増加するとし、先月の見通しを維持。22年も先月と同様、328万バレル増加するとした。

21年の世界経済成長率見通しはパンデミック(世界的大流行)の影響が抑制されるとの見方を背景に5.5%から5.6%に上方修正。ただ「重大な不確実性」があると警告した。22年の見通しも4.2%に引き上げた。

OPECは「新型コロナのパンデミックの行方が、短期的な回復ペースに影響を与える包括的な要因となり、新たな変異株や突然変異体の出現が特にリスクとなる」とした。

また、米シェール企業を含むOPEC以外の生産国の22年生産見通しを290万バレル増とし、先月から84万バレル引き上げた。OPECとロシアなど非加盟の主要産油国でつくる「OPECプラス」の減産縮小合意や価格高に伴う投資促進が要因という。

米シェールオイルの生産量は22年に56万バレル増加するとし、先月から6万バレル引き上げた。