日本でなぜBIMが普及しないのか
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日本でのBIM普及について。
アメリカではコンポーネント等のテンプレート整備にきちんとコストをかけているとの指摘。テンプレをより多く使うには建築部材もテンプレ対応の既製品である必要があるかと思うのですが、アメリカでは建築部材の既製品利用が多いといった背景もあるのでしょうか?
また、アメリカではBIMが苦手な平面詳細図や矩計図は設計事務所が書かないと。日本では逆に詳細図を重視しがちですが、これは、設計報酬の違いが背景にありそうかと考えてます。詳細図の前段階で十分な報酬を得られるから、描かなくても良い…??Revitが得意なのって、体裁整えたり、不整合なくしたり、パラメータ操作で変更反映させたりすることなので「PayetteはBIMが不得意な平面詳細図、矩計図は描かない」というのはとてもキー。そこを契約から外せれば、うんとフルBIM化への移行負担は減ります。
日本でBIM推進していた時は、矩計図をテンプレ化し、フルBIM化を目指しているところもありましたが、テンプレの保守・整備のことを考えると、どこまでを設計範囲にするか見直すのは大切ですね。要はProject Managerの腕次第。
ちなみに僕は最近、矩計図を書くことが多いのでRevitどころかAutoCADも開かずiPadでしか設計してないです...(BIM Engineerのくせして)3年前の日本におけるBIMの導入状況と今の状況は相当変化しているはずです。
Payetteはボストンの建設設計事務所で、当時既にフルBIM化されていて、日本のBIM普及の進捗が進んでいないことに、筆者はギャップを覚えたということです。
しかし日本でもDX推進の柱として、BIMの導入が進められていて、2DCADは使われなくなろうとしています。
つまり筆者のBIMが不得意な平面詳細図なども、DX推進の障害であれば、従来の慣行を捨ててしまうという方向になるでしょう。
BIMの便益が、データの利活用を設計段階から竣工後の運営保守メンテナンスにまで活用するというDXの目的にかなうからです。つまり設計時のBIMに落とし込まれた3Dデータを建物引き渡し後も、施主などにゼネコンがサービスを展開できるからです。しかも建物だけでなく、周辺の都市データを統合すれば、更に広範囲な、都市のOSと呼べるようなプラットフォーム事業にもゼネコンは進出できる可能性を生み出します。まさにゼネコンがBIMによるDXを推進している動機です。
図面を効率よく作成するというような目的でBIMを導入するというようなことは、アメリカでもないと思います。
建設設計事務所がBIMを導入するのは、顧客である事業主が建物の保守メンテなどでセンサーデータを活用したりすることで、建物の価値を高めたいと望んでいるからでしょう。
アメリカではインフラの設計に3DCADが使われていて、ベントレーなど大手のソフトウェアメーカーが成長しています。
海外のプロジェクトでは、設計図面だけでなく3Dデータを提出しないとプロジェクトの受注ができなくなってきています。
建てて終わりではなく、引き渡した後のサービスで稼ぐというのが、ゼネコンの考え方になってきているということからすると、この3年で日本も大きく変わってきていますね。そのことが実感できる記事でした。