[東京 11日 ロイター] - 11日午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比181円13銭高の2万8069円28銭となり、続伸した。米国株式市場の上昇を受けて朝方から堅調な地合いを維持し、引き続き好決算銘柄を中心に物色される展開となっている。ただ、戻り売り圧力が警戒され、中ごろから高値圏でのもみあいに終始した。

10日の米国株式市場は、ダウ工業株30種とS&P総合500種が上昇し、終値としての最高値を更新した。議会上院で超党派による1兆ドル規模のインフラ投資法案が可決されたことを受け、バリュー株に買いが入った。

これを受けて日本株も買い優勢で始まった。引き続き決算発表において通期見通しを上方修正した銘柄を中心に買われ、好決算が株価を支える格好となっている。ただ、チャート上で上値抵抗線として意識される2万8000円や、その近辺に位置する200日移動平均線を超えると戻り売りの厚さが警戒され、上値は限定的となっている。

市場では「今週は旧盆休みがあるため、ここから参加者が減ると想定されるが、直近の相場で戻り売りの厚さから押し戻される格好となるのは、参加者減少に伴うマーケットのボリューム不足が大きな要因とみている」(SBI証券・投資調査部長の鈴木英之氏)との声も聞かれた。

TOPIXは1.00%高で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆3477億4600万円とやや膨らんでいる。東証33業種では、ゴム製品、海運業、鉄鋼、鉱業などの景気敏感セクターに値上がりが目立ち、下落業種は精密機器など3業種にとどまった。

個別では、前日に通期見通しの上方修正を発表したブリヂストンが年初来高値を更新。三菱UFJフィナンシャル・グループなどの銀行株もしっかり。ファナック、日本製鉄も買われ、塩野義製薬も堅調に推移した。指数寄与度が大きいファーストリテイリングも大幅上昇となっている。半面、東京エレクトロンなど半導体関連株が軟化し、ソフトバンクグループもさえない。

東証1部の騰落数は、値上がりが1455銘柄、値下がりが644銘柄、変わらずが89銘柄だった。