[香港 10日 ロイター] - 香港の林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は10日の定例会見で、外国による制裁への対抗措置を定めた中国本土の「反外国制裁法」を香港に適用することを支持する考えを示した。

行政長官は、香港基本法の付属文書に加えることで反外国制裁法を中国本土の法律ではなく香港の法律として導入することを望んでいると述べた。

香港で制定されることで、施行に向けた法的枠組みがより明確になると述べ、基本法の付属文書への記載に関して中央政府と既に話していると説明した。

中国は今年6月、反外国制裁法を成立。対中制裁の決定や実施に関与した個人や組織に対し、ビザ発給拒否や中国国内の財産差し押さえなどの措置を取ると定めている。

香港に同法を適用した場合、世界的な金融都市としての香港の地位が揺らぐ可能性があるとの指摘が出ている。

香港の鄭若驊・司法官は8日、反外国制裁法を香港に導入する「最も自然で適切な方法」は、基本法の付属書に追加することだとの考えを示した。ただ、それには、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)での承認が必要になると指摘。報道によると、8月17─20日に北京で開催される全人代で決定する可能性が高い。

米政府は中国による香港締め付けに反発し、中国や香港の当局者を制裁対象に指定してきた。