[9日 ロイター] - 豪銀行大手ウエストパック銀行は9日、第一生命ホールディングスに豪生命保険事業を売却することで合意した。売却額は9億豪ドル(6億6000万米ドル)。

豪銀行セクターでは規制当局の監視が強化される中、中核の銀行業務に専念するため、保険事業から撤退する動きが見られている。

ウエストパックのスペシャリストビジネス・グループ戦略担当最高経営責任者、ジェイソン・イェットン氏は「今回の取引は、業務簡素化に向けたさらなる一歩だ」と語った。

第一生命ホールディングスにとっては、日本の人口が減少する中、海外事業の強化につながる。同社は2018年に豪保険大手サンコープから生命保険事業を6億4000万豪ドルで取得している。

第一生命ホールディングスからのコメントは現時点で取れていない。

ウエストパックは、損害保険事業やニュージーランドの生命保険事業の売却でもすでに他社と合意しており、今回の第一生命への事業売却により、レベル2普通株式等Tier1(中核的自己資本)比率は約12ベーシスポイント(bp)上昇するとした。

今回の生命保険事業売却により、税引き後の会計上の損失約13億豪ドルを見込んでおり、約3億豪ドルを2021年度に計上するとしている。

事業売却は22年下期に完了する見通し。

ウエストパックはまた、豪国内で450万人超に保険を提供している第一生命の現地法人との間で、ウエストパックの顧客に生命保険商品を販売する独占契約(期間20年)を締結したことも明らかにした。