JR貨物、宅配需要に照準 物流拠点10カ所新設
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鉄道貨物へのモーダルシフトは課題が多いと,あらためて感じさせられる記事でした.少し見方がひねくれてるかもしれません.
まず,以下の加藤さんのコメントで紹介されている記事でも物流拠点の整備が挙げられています.この記事にもある通り,今回の新設は総合物流企業化の一環でしょう.
https://newspicks.com/news/3751833
(※記事は今回初めてみました.日本郵船の戦略をJR貨物に持ち込んだ,という理解もできそうで興味深かったです.ご紹介ありがとうございました)
とはいえ,記事を読みながら,同社は鉄道を強味としていつつも「総合」物流企業でないと戦略を立てるのは難しいと感じているのではないかとも思われてきました.これはは鉄道輸送の車両や設備は持っているものの,路線(新幹線も)は旅客会社が保有していることが理由です.現状のままでは,旅客会社との交渉が難しく,JR貨物が絡んだ鉄道貨物輸送の伸びしろはそれほど大きくなさそうです.
交渉が難しい,と考える大きな理由はアボイダブルコストルールの存在です.今後,鉄道貨物輸送のキャパを増やそうと思えばこのルールが間違いなく足かせになるでしょう.新幹線を使った輸送に際してもこのルールの存在は交渉を難しくするはずです.JR貨物はルールの適用を基準に考える一方,旅客会社はこのルールが新幹線に適用されるのであれば,自分の子会社を使うか,ほかの物流会社と手を組むことを考えるからです.JR貨物もその難しさをわかっているからこそ,総合物流企業化を進めているのだと考えた次第です.運輸部門のCO2削減ペースは家庭部門や企業・事業所部門に比べて遅れています。中でもトラック輸送は運輸部門のCO2排出の4割以上を占めているので、ここの削減は重要で、電車や船含むモーダルシフトが求められています。
他方、EC市場の拡大によって輸送量は増加しているが、荷主は無駄な在庫を持ちたくないので、「少量・多頻度」なジャストインタイム輸送のニーズが高まってます。これが輸送における自動車依存の一因になってます。
ニーズを満たしつつエネルギー消費を減らすために、通運事業者との連携を含む、物流トータルでのスマート化が必要です。JR貨物、強化されていくか。
幹線需要について、定時性もエネルギー効率も、自動車より鉄道のほうが優れるはず。ただコンテナの積み下ろしだったり、あとはそこからさらにソーティングしたりといった効率にも影響しそう。
物流拠点の整備と併せて、うまく各種輸送モードを組み合わせられると、輸送効率の改善にかなりつながる可能性があると思う。またトラック運転手不足という社会課題とも併せられる。
JR貨物は、郵船出身で2013年に社長に就任した石田元社長時代に結構な改革を行った。その状況が下記記事に詳しい。
https://newspicks.com/news/3751833
他に、2017年の記事だが、佐川・トヨタと相乗りを始めた。
https://newspicks.com/news/2483408
コロナになってからは新幹線でも貨客混載も始まり。こちらはオペレーションが結構難しそうだが、貨物専用車両といったものも需要がより見えてくれば出てくるのではないだろうか。二つ目のリンクは、コロナ前のヤマト木川元会長とJR九州石井元社長の対談だが、そこでも新幹線物流の話もある。
https://newspicks.com/news/5503405
https://newspicks.com/news/3977330