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タリバンは一昨日制圧したニムルズ州の州都ザランジ、昨日制圧したジョズジャン州の州都シェベルガンに続きクンドゥーズ州の州都クンドゥーズ、サリプル州の州都サリプルを制圧しました。

又最新の情報では、これに加えてタハール州の州都タールカーンも陥落したとみられています。

なかでもクンドゥーズはタジキスタン国境近くにある交通の要衝で、国境から首都カブールとマザリシャリフへ向かう幹線の交差点にあたります。
人口も30万人以上あるアフガニスタン第五の都市で、今回タリバンが制圧した街としては最大の都市となります。

ガニー政権は精鋭の特殊部隊を派遣して奪還すると宣言していますが、クンドゥーズはタリバンの主力を占めるパシュトゥーン人が人口の大多数を占めており、その関係上元々タリバンの勢力が強い地域で、政府軍による奪還は困難でしょう。

既に20万のアフガニスタン政府軍のうち、精鋭の特殊部隊2万人5000を除いて総崩れの様相を呈しており、次はどこの都市が落ちても不思議ではありません。
今後の展開ですが、ターリバーンとしては、全国に34ある州都の攻略を8月中は進めます。うまくいけば9月には首都カブール攻略にかかり、9月11日はカブール占領、というのが、彼らが考える最も早いシナリオです。
 州都というのは、人口10万人から数十万人の地方都市ですが、都市の制圧そのものには軍事的意味はあまりありません。ターリバーンが第1にしたいのは、各州都にある刑務所の解放です。いずれにも数百~数千のターリバーン戦闘員が収容されています。各州都の刑務所を解放するたびに、それだけ戦闘員が増えます。次いで意味があるのは、軍、警察から兵器を鹵獲することです。
 アフガニスタンというのは、企業や一般国民から税金をとれる国ではありません。固定資産税なども、登記されていない土地の方が多いのだから取れません。都市を占領したから税収が増えるということはなく、それはカブール政府も同じです。
 今のカブール政府の主な歳入は、欧米諸国や日本からの援助以外だと、関税収入です。あとは、鉱物の採掘権を外国企業に売るくらいです。
 関税、というのは、つまり国境に関所(税関)を設けて通行する商人から徴収するものです。ターリバーンが優先的に攻略しているのは、地方都市でも国境にあたるところです。すでに国境の関所はほとんどターリバーンに占領されて、カブール政府は主な歳入を失いました。放っておいても、カブール政府は干上がります。幹線道路も抑えられているので、食料や燃料も不足して暴動になるでしょう。米国が大規模な空輸作戦でもするなら別ですが、米国はもうそこまでアフガニスタンに肩入れしないでしょう。