【宮本太郎】行き詰まった社会保障、でもすべてベーシックインカム頼み、は危うい
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「財源どうする」「勤労意欲が薄れる」……さまざまな反対論にもかかわらず、世界のあちこちで導入実験が行われているベーシックインカム。なぜいまBIを主唱する声が広がるのか、BIの成功にはどういう条件が必要なのか。中央大の宮本太郎さんに、「BIについて知っておくべきこと」を聞きました。
そもそも、BI(ベーシックインカム)と一言で言っても認識は各人様々だと感じています。
BIを導入するかはともかく、人口推移や社会状況を鑑みると社会保障の再構築は必須です。だからこそ(国民の生活に大きな影響を及ぼすからこそ)、その背景や仕組みを理解した上で議論を深めながら、様々な立ち位置を加味して『日本の社会保障のあり方』を考える必要があると感じています。貧富の差は自然に広がっていく、しかも金持ちが伸びるだけでなく(先進国では)中流が没落する形になりやすいと思う。他方、AIやロボット技術の発展によって生産性はあがり理屈の上では人は今ほど働かなくても良くなるが、実際にはその果実が広く分配されないことで格差は更に広がると思う。なのでBIみたいな仕組みが必要だと思う。
ただし実際には大きな改革となるので、いきなり『それで生活できるレベル』を目指すのではなく、最初は『社会保障費など基本的な支出をゼロにする』というワンステップを踏んだほうがいいと思う。
またBIの是非に関係なく高齢者の福祉をどこまで充実させるべきなのかは高齢化社会においては重要なテーマでこのままいくとその負担により更に現役世代や医療従事者が疲弊する可能性が高いと思う。