[上海 6日 ロイター] - S&Pグローバル・レーティングは5日遅く、多額の負債を抱える中国の不動産開発大手、中国恒大集団とその子会社を格下げした。債務を返済できないリスクが高まっているとしている。

格下げは過去2週間で2回目。

S&Pは、恒大集団と子会社の恒大地産集団、天基の格付けを「Bマイナス」から「CCC」に2段階引き下げたほか、恒大集団が発行し天基が保証するドル建て債の長期格付けを「CCCプラス」から「CCCマイナス」に引き下げた。

同社は先月26日にも2段階の格下げを行った。ムーディーズとフィッチも、過去2週間で同様の措置を講じている。

S&Pは「恒大集団の資金繰りが、以前の予想以上に急ピッチかつ大幅に悪化しているため、格下げした」と表明。

来年期限を迎える大量の社債だけでなく、銀行融資、信託融資など今後12カ月間で期限を迎える債務も、返済不能のリスクが高まっているとしている。

S&Pは、今後12カ月で期限を迎える恒大集団の手形、仕入債務を2400億元(371億4000万ドル)と推計。このうち約1000億元相当が年内に期限を迎えるという。

恒大集団は、返済遅延を巡って複数の取引先から訴訟を起こされているが、S&Pは、市場の情報として、恒大集団が債務返済の代わりに先行予約販売中の不動産を受け取るよう取引先を説得している可能性があると指摘。資金繰りが悪化しているとの見方を示した。

香港株式市場の恒大集団株は、6日の取引で一時7%急落。2017年1月以来の安値を付けた。