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米新興バイオ企業ノババックス社製ワクチン(組み換えタンパク型)は、臨床試験の成績からすると新薬承認ないし緊急使用許可(国により制度が異なる)への申請が期待できるレベルにありましたが、申請には製造に関する保証も含まれるため、ここが問題になって足踏みしているようです。

米国において、製造プロセスの品質への担保を証明できるデータが揃わず、今回は緊急使用許可を申請できる段階にないと企業側が判断したことが記事から読み取ることができます。

医薬品の製造に関しては、国際基準として、GMP(Good Manufacturing Practice=適正製造規範)が定められ、製造管理および品質管理に厳格な基準が設けられています。医薬品等の原材料の入荷、検品から製造、製品の包装、出荷管理、製品保管、回収処理などに係る業務の基準です。

研究能力、臨床開発能力、製造能力(今回の問題点)は異なる重要能力(コアコンピタンス)と考えたほうがよく、研究能力に優れる新興バイオ企業の事業化のハードルになり得ます。そのためバイオベンチャーは、しばしば臨床開発と製造の能力に優れる「大手製薬企業」と協業を行います。例えば、独バイオベンチャーのビオンテック社は、米製薬大手のファイザー社と協業した結果、早期にワクチンの市販化につながったと言えるでしょう。

GMPは世界的に取り決められた医薬品の製造に関するガイドラインですが、承認する国によって運用基準に違いがあるほか、どの製造設備を使った製品かによっても判断が分かれることがあります。

ノババックス社製のワクチンは、日本の武田薬品で製造準備が進められていることが報道されていますが、記事からは、(承認申請を行えていない)米国向けと(すでに承認申請を行った)各国との製造上の差の有無については書かれていません。

「ノババックス製ワクチン、武田薬品が国内生産を計画…9月末までに米で申請へ」(読売新聞 2021年6月15日)
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210615-OYT1T50074/

新型コロナ関連の医薬品は、日本での臨床成績を検討していなくても外国で承認されていれば、日本で承認されるという状況のため、米ノババックス社製ワクチンの米国での承認の遅れは、日本での承認の遅れに直結します。