[パリ 5日 ロイター] - 国連食糧農業機関(FAO)が5日発表した7月の世界食料価格指数は平均123.0で、6月の124.6から2カ月連続で低下した。

穀物、植物油、乳製品が値下がりした。ただ、前年同期の水準は依然として31.0%上回っている。

世界食料価格指数は6月に1年ぶりの低下を記録。不作や中国の需要拡大を背景とする農産品の広範な値上がりに歯止めが掛かった。

7月の穀物価格指数は前月比3.0%低下。トウモロコシが6%値下がりした。

トウモロコシは、ブラジルで収穫に対する懸念が浮上したものの、アルゼンチンと米国で生産見通しが改善したことや、中国が輸入をキャンセルしたことを受けて、値下がりした。

コメの国際価格は、2年ぶりの安値に下落。新米の供給と為替変動を受けて販売ペースが鈍った。

一方、小麦の価格は1.8%上昇し、2014年半ば以来の高値となった。北米の少雨や欧州の豪雨に加え、ロシアで初期の収穫量が予想を下回ったことが背景。

植物油の価格は前月比1.4%低下し、5カ月ぶりの安値。パーム油相場が反発したが、他の植物油が値下がりした。

乳製品価格指数は2.8%低下。

砂糖価格指数は1.7%上昇と、4カ月連続で上昇した。原油高に加え、主要輸出国ブラジルの降霜の影響を巡る不透明感が背景。

食肉価格指数は全体では小幅上昇。鶏肉は東アジアの輸入急増で大幅に値上がりしたが、豚肉価格は中国の輸入減少で下落した。

FAOは、世界の穀物需給予測を更新しなかった。先月は2021/22年度の世界の穀物在庫が2017/18年度以来初めて増加すると予測した。