[ミラス(トルコ) 4日 ロイター] - トルコのエルドアン大統領は4日、南部沿岸地域で1週間以上続いている山火事について、同国史上最悪の規模だと述べた。4日には南西部にある発電所にも火が燃え移った。

高温と乾燥した強風にあおられて火災が広がる中、先週以降8人が死亡。エーゲ海や地中海沿岸周辺では、地元住民や外国人観光客らが自宅やホテルから避難を余儀なくされた。

地上および空から消火活動に当たっているが、当局者によると、最初の火災から1週間以上経った4日時点でもなお16カ所で燃え続けている。

エルドアン大統領は「今年の山火事はわが国の歴史で前例がない。最大の規模だ」と述べた。

欧州の消防当局によると、過去2週間のトルコの山火事による延焼面積は平年の3倍以上に当たるという。周辺国でも熱波や強風で火災に見舞われている。

トルコ南西部ボドルムの東では、3日から付近で燃えていた火が石炭火力発電所にも広がった。地元ミラスの市長は「火力発電所内に炎が入った」とし、避難が行われていると述べた。

環境保護団体からは、発電所内の石炭貯蔵施設に燃え移った場合の影響に懸念の声が上がっている。保護活動家の一人は「コントロールされない形で石炭が燃えれば、有害なガスが大気中に拡散する恐れがある」と語った。

こうした中、スペインとクロアチアは今週、消火に当たる航空機を派遣。ロシアとイラン、ウクライナ、アゼルバイジャンも既に消化活動を支援している。