2021/8/5

【安川電機社長】景気のニュースは、需要より「変化」で見よ

NewsPicks ジャーナリスト
新型コロナウイルスの影響が長引き、景気の不透明感が増す中でも、過去最高水準の業績となる企業が増えている。
例えば、8月4日に決算発表したトヨタ自動車は、2021年4〜6月期として過去最高業績を更新した。
安川電機もその1社だ。7月に発表した決算では、産業ロボットやサーボモーターの受注額が、過去最高となった。
サーボモーターとは、工作機械、半導体製造装置などの産業機械に搭載されているキーパーツだ。産業機械は、自動車や半導体などの生産が増える時に需要が伸びる。
それゆえ、サーボモーターは究極の「景気の先行指標」とも言われ、アナリストなどからの注目を集めている。
そこで今回、安川電機の小笠原浩社長に緊急インタビューを実施。設備メーカーならではの視点から、「景気診断」をしてもらった。
併せて、半導体不足で自動車やゲーム機を作れないなど、「モノが飽和する」はずの時代に、なぜ「モノが足りない」のか迫った。
INDEX
  • 全地域が「好調」
  • 需要よりも「変化」
  • 半導体不足の舞台裏
  • モノ消費は続くのか
小笠原浩(おがさわら・ひろし)/安川電機代表取締役社長。1955年生まれ。学生時代に情報科学を学び、1979年に同社入社。2006年取締役になり、2016年に社長就任。

全地域が「好調」

──サーボモーターの受注で見ると、もともと景気が良い中国だけでなく、日本や欧米など、世界すべての地域で伸びています。