[東京 4日 ロイター] - 午前の東京株式市場で、日経平均は前営業日比38円26銭安の2万7603円57銭となり、小幅続落した。新型コロナウイルスの感染拡大が警戒される中で、引き続き好決算銘柄が物色されている。朝方は売り優勢で始まったが、中国株式市場が堅調となったことが好感され、前場中盤から下げ渋る動きとなった。

3日の米国株式市場は上昇し、S&P総合500種は終値での最高値を更新。新型コロナウイルス変異株「デルタ」感染拡大を巡る懸念はくすぶるものの、アップルやヘルスケア銘柄が上昇し、相場を押し上げた。

日本株は安寄りして、その後もさえない動きとなったものの、引き続き決算発表で事前予測を上回るとともに通期見通しの上方修正を発表した銘柄が賑わい、全体も徐々に戻す動きになっている。後場に発表されるトヨタ自動車の決算が注目を集めることになりそうだ。

市場では「リオープン(経済再開)銘柄など厳しい動きとなる銘柄があるが、全体的には好決算銘柄が指数を下支えする格好となっている」(野村証券・投資情報部ストラテジストの神谷和男氏)との声が聞かれる。

TOPIXは0.25%安で午前の取引を終了。東証1部の売買代金は1兆1000億8600万円だった。東証33業種では、鉄鋼、海運業などが値上がりし、非鉄金属や水産・農林業などの下げが目立つ。

個別では、日本製鉄が商いを伴い上昇したほか、日本郵船も連日の年初来高値更新。ダイキン工業も大幅高となったが、ソニーグループやソフトバンクグループなどがさえない。

東証1部の騰落数は、値上がりが636銘柄、値下がりが1419銘柄、変わらずが128銘柄だった。