日本企業所有タンカーにドローンが自爆攻撃 死者2名にとどまらない衝撃とは
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艦長をピンポイントで狙った可能性があるのか。
2012年の米海軍大学院における研究「UAVのスウォーム攻撃:駆逐艦の防護システムの選択肢(UAV swarm attack: protection system alternatives for Destroyers)」
によると、"米海軍の主力であるアーレイバーク級イージス艦に、イスラエルのハーピー型自爆ドローン4機と手作りドローン4機が沿岸部から同時攻撃した場合のシミュレーションを500回実施し"、通常の場合8機中3.82機のドローンが突入に成功したという。
防御に効果があったのはレイセオン社のファランクスに代表CIWSだが、それでも全機撃ち落とすのは難しい。
攻撃ドローンで、通常の海上防衛設備を無効化できてしまうのはなかなか恐ろしいことだ。
注目のコメント
すごいシミュレーションが載っていますが、たった8機のドローンをイージス艦が対処できないわけがないでしょ(笑)
これはイージス艦が中東の港に入港する直前を狙って、超近距離から接近したターゲットに対し”CIWSのみ”でどの程度対応できるのかというシミュレーションです。
ハーピー4機は20㎞の地点から速度250㎞/h、マルチコプターは10㎞の地点から地形に隠れて有人操作で突入、入港時でレーダーの使えないイージス艦はCIWSのみでの迎撃を余儀なくされたという絶体絶命のシチュエーションとなっています。
こんな状況ではイージス艦だろうがなんだろうが、対応が難しいのは当たり前です。
実戦ではドローンは近距離に近づく前に探知されて全て迎撃されるでしょう。
なお、今回、本当に注目されているのは、入港時のイージス艦云々ではなく、洋上の動く目標に対し、遠距離からドローンを誘導して、正確にブリッジに命中させたという点です。
移動目標にはGPSによるプログラム攻撃はできず、またタンカーのようなレーダー波を発していない目標にはレーダー突入型の自爆ドローンも使えません。
長距離誘導で、移動する目標の中枢部に正確に命中させたのは驚異的で、イランがそのような能力を保有するようになったことは、中東の戦力バランスにも微妙な影響を与える可能性があります。
一部にはドローンの真珠湾攻撃との評価さえあるくらいです。
軍事的な問題は、変な煽りを抜きにして、客観的に何が正しい戦訓かを見極めないと、正確な安全保障政策が取れなくなりますので、注意が必要ですね。
>>>シミュレーションの結果、通常の場合は3.82機のドローンがイージス艦への突入に成功し、対空砲であるCIWSを2基増設すると2.5機、電子妨害装置を増設した場合は2.57機、RQ8無人機から発射するデコイでは2.81機、艦艇からのデコイでは3.05機、煙幕では3.24機が突入する結果となった。CIWSの増設がもっとも効果的であり効率的だと結論付けているが、それでも完全な防御からは程遠いのが実情だ。