[東京 3日 ロイター] - 精神的な理由で東京五輪を一時欠場していた米体操女子のエース、シモーン・バイルスが3日、同競技最後となる種目別平均台決勝に臨み、14.000点で銅メダルを獲得した。2016年のリオでジャネイロ五輪に続く同種目での銅メダルとなった。

バイルスは銅メダルが決まった後、「とても長い1週間、とても長い5年間だった。今日はただ自分のために演技したいと思っていて、それができた。この銅メダルは、リオの平均台で取ったものよりも特別に感じる。ずっと大事にしたい」と、記者団に語った。

金メダルは14.633を取った管晨辰(中国)が、銀メダルは14.233点の唐茜靖(中国)がそれぞれ獲得した。 

24歳のバイルスは、リオ五輪では個人3種目、団体1種目で金メダルを獲得。東京大会では「いくつ金を取るか」が注目されていたが、27日に行われた女子団体総合では1種目目の跳馬で演技した後、残りの種目を棄権。個人種目の女子個人総合や、跳馬、段違い平行棒、床運動も出場を取りやめていた。

バイルスは出場を取りやめた理由について、期待に応えることへのプレッシャーと、自身の心の健康を守る必要性を挙げた。

バイルスは団体総合を途中棄権した後、「人生には体操以外のものもある」と語っていた。「今回の五輪は自分のためにと思って臨んでいるが、他の人のためにやっているように感じていた」と述べていた。

新型コロナウイルス禍中に開催されている今大会は、家族や仲間から隔離された環境で試合に臨む選手たちの心の問題にも関心が集まった。